Takeru Shiraishi

2025☆Brand new Movies

「ナミビアの砂漠」“嫌悪感と魅惑の先に存在する河合優実という甘美”

色々な意味で、「意味不明」な映画と言っていいだろう。それはストーリー自体が難解だとか、映画の作りが複雑だということではなくて、「人間」そのものの普遍的で根幹的な不条理と、それに伴うどうしようもない“面倒臭さ”を、特異な主人公像を通じて描き出しているからだったと思う。
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「サブスタンス」“阿鼻叫喚の先の遥か彼方で待ち受けるミャクミャク大暴走”

冒頭から、極めて意地悪で悪趣味な映像表現と音響表現に、打ちのめされそうになる。その精神を侵害するようなオープニングからのシークエンスは、そのままダイレクトに主人公の老女優の精神に直結し、彼女が陥っている感情が、鑑賞者の脳裏に流れ込んでくるようだった。
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「プラットフォーム」“衝動的鑑賞の価値はあるが、短編に纏められたならばもっと良かった予感”

「衣食足りて礼節を知る」ではないけれど、“餓え”という極限状態にこそ、人間というものの本質は現れる。それは倫理的な観念を度外視して、人間が一生物である以上致し方ないことだとも思える。
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2025☆Brand new Movies

「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」“20年前の自身のループ感を思い出し、励ましたくなる新感覚のタイムループ”

ブラック企業、ホワイト企業のレッテルに関わらず、もしくは会社勤めも自営業も関係なく、社会で働くという行為をしている人間であれば、誰しも感じたことがあるであろう“ループ感”を、ダイレクトにタイムループものとして描き出したアイデアが、まず潔くて、ユニークだった。
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「爆弾」“令和の怪人スズキタゴサクの狂気と憂鬱”

もはや“怪人”のような謎の男と、密室で対峙して繰り広げられる文字通りの“爆弾サスペンス”。容赦なく死傷者数が積み重なっていく展開には、映画内での絶望感を越えて、現実社会そのものが薄っすらと感じ始めている一種の「終末感」を覚えた。
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「ワン・バトル・アフター・アナザー」“波打つ見通しの悪いハイウェイをビクビクしながら進み行く”

闘争、そしてまた闘争。革命主義者と排外主義者、争い続ける双方は、両者とも愚かで脆い。その様はあまりにも無様で、ときにおぞましくもあり、それらをひっくるめてとても滑稽に映し出される。
スバラシネマex

スバラシネマex「あんぱん」“アンバランスなドラマ紡ぎ出した、完全無欠ではないヒーロー誕生の物語”

とても振れ幅の大きいドラマだったと思う。様々な側面において、見応えのある朝ドラであったことは間違いない。ただその大きな振れ幅故に、作品全体のテンションの浮き沈みや、登場人物たちの言動において、アンバランスさを感じてしまったことも否めない。
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「宝島」“「無知」に対して、耳を傾けるという最低限の振る舞いを”

映画の送り手も受け手も双方が扱いづらい“うちなーぐち”を俳優たちに徹底させて、敢えて“伝わりづらい”映画表現に挑んだことは、本作の根幹を成す演出意図であり、この物語に対する正しく、真摯な姿勢だったのだと痛感する。
2025☆Brand new Movies

「大統領の陰謀」“何が変わらなくとも、あり続けるべき報道の姿勢と責任”

主人公の新聞記者が、情報源の男に会うために、人気のない地下駐車場の階段を足早に下りていく。どこにでもありそうな建物をロケーションにしたありふれたシーンのはずだけれど、彼がこれから危険を伴う“真相”へと踏み入っていく状況がよく伝わってきた。
2025☆Brand new Movies

「バレリーナ:The World of John Wick」“番外編なので俺は休憩──いややっぱり出たい!戦いたい!by映画馬鹿”

『ジョン・ウィック』という映画の世界観に存在していたものは、世間一般からの作品に対する評価など二の次、三の次にして、ただひたすらに「俺が観たいアクション映画」を作りたいという一念だったように思う。
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