#ドラマ

2025☆Brand new Movies

「宝島」“「無知」に対して、耳を傾けるという最低限の振る舞いを”

映画の送り手も受け手も双方が扱いづらい“うちなーぐち”を俳優たちに徹底させて、敢えて“伝わりづらい”映画表現に挑んだことは、本作の根幹を成す演出意図であり、この物語に対する正しく、真摯な姿勢だったのだと痛感する。
スバラシネマReview

おヒサシネマ!「風立ちぬ」“脳裏によみがえる12年前の空の青”

戦後80年の夏、お盆休みの最終日。劇場公開以来12年ぶりに「風立ちぬ」を観た。改めて、本作を象るものは、純真な狂気だったと思う。そこに描きつけられていたものは、現代人や凡人、そして彼ら以外の他人には理解し難く、あるいは理解する必要もない、孤独で崇高な美意識だった。
2025☆Brand new Movies

「正体」“主人公と主演俳優の中に等しく存在する「人たらし」の魅力”

今年は、横浜流星という俳優にハマりつつある。(いやハマっている)これまで何となく演者として軽薄な印象を持ってしまっていたけれど、今年鑑賞した「片思い世界」そして「国宝」での役者としての“華”が本物であることを痛感した。そして、半年遅れで鑑賞し始めたNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」を見進めていくに伴って、その思いはさらに深まっている。
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2025☆Brand new Movies

「F1/エフワン」“今この瞬間に命と金とプライドを賭ける映画人たちの矜持”

映画史を彩ってきたあらゆる「王道」が、映画上のレース展開とは違ってコースから逸脱すること無く、清々しいくらいに堂々と繰り広げられる。そこには、監督と主演俳優をはじめとする製作チームにおける、映画製作に対しての「自信」がみなぎっていたように思えた。
2025☆Brand new Movies

「ナイトメア・アリー」“下劣な見世物小屋に奥に待ち受ける鏡、そこに映った「怪物」の正体”

「見世物小屋」の記憶が、薄ぼんやりではあるけれど脳裏に残っている。縁日の人だかりの奥に、その即席の小屋は建てられていて、おどろおどろしく、どこか淫靡な雰囲気で描かれた看板を、子どもながらに“遠慮”して遠目で見ていた記憶。
2025☆Brand new Movies

「国宝」“「人間失格」の先にある狂気と熱狂”

「芸」という、その価値の本質がひどく曖昧で、故に悪魔的な魅力を放ち続けるモノの狂気と、深淵。174分という映画の尺があまりにも短く感じられるほどに、光と闇が濃縮された映画世界に恍惚となり、うまく言葉を紡ぐことができない。
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「ANORA アノーラ」“「対価」を受け取り、それでも彼女は生きていく”

ネオンに彩られたNYの夜の街、セックスワーカーとして生きる“持たざる者”の彼女が、失ってしまったものは何だったろうか。そして、この悲しく、虚しい数日間で、彼女が得たものは何だったのか。
2025☆Brand new Movies

「教皇選挙」“窓を開き、光と風を通すべき全世界、全人類へのメッセージ”

疑念と確信。人間の歴史、そして信仰の歴史は、常にその狭間で揺れ動き、人間はその“揺らぎ”から抜け出すすべも無く右往左往し続ける。教皇選挙、すなわち“コンクラーベ”を描き出した本作が表したものは、そういう人間の「本質」だったと思う。
2025☆Brand new Movies

「片思い世界」“美しい三姉妹が織りなす美しい生活と、その理由”

冒頭から映し出される美しい“三姉妹”の「生活」が、ただただ愛おしい。その空間は、「完璧」だと言っていい。ただ、だからこそ、そこには何か言いようのない“違和感”が、映画のはじめから生じていた。
2025☆Brand new Movies

「HERE 時を越えて」“喜びも、悲しみも、いつもここから”

自分自身、結婚をして、子どもが生まれて、ちょうど10年前に家を建てた。“家”の中で家族で過ごす時間は、あまりにも有り触れていて、普段その価値を見出すことはなかなかできないけれど、最近ふとした瞬間に「ああ、これが幸せというものかもしれないな」と感じることがある。
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