「ムーンフォール」映画レビュー “甦る超大作B級映画(大好物)の高揚感”

スバラシネマReview

評価:  8点

Story

2021年、NASAの宇宙センターは衝撃と緊張に包まれました。謎の力で軌道から弾かれた月が、数週間で地球に激突するということが判明。この謎に立ち向かう危険な任務に、NASA副長官のジョー(ハル・ベリー)、超一流の宇宙飛行士だったが、ある事故の責任から今はNASAを離れたブライアン(パトリック・ウィルソン)、自称“天文学博士”で陰謀論者のK.C.(ジョン・ブラッドリー)が挑みます。果たして、最終手段の核爆弾が用意され、人々がパニックに襲われる中、彼らは人類を救うことが出来るのか?そして月に隠された秘密とは? Filmarksより

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Review

やっぱり僕は、ローランド・エメリッヒ監督の「馬鹿」がつくほどの超大作が大好物らしい。
中学生の頃に観た「インデペンデンス・デイ」以来のその趣向を改めて思い知った。
Amazon Prime Videoで公開されたこの超大作、ネット上の評価は概ね芳しくないようだけれど、僕は断然「大好き」だった。
タイトルそのままに「月が落ちてくる!」というイントロダクションに嘘偽りは全く無い。
あらゆる科学的考証なんて完全無視するかのごとく、突如として月が地球に迫ってくる。
まさしく読んで字の如しの「天変地異」、映画史上最大クラスの“災害映画”であることは間違いないだろう。
ただし、時代は2022年、今更大仰なディザスタームービーを謳われても、特に日本での劇場集客が難しかったろうことは理解できる。
それこそ同監督の超大作が立て続けに公開された90年代後半ならいざしらず、もはや“地球が崩壊する有様”なんて、特に映画ファンでなくとも見飽きているというもの。
そういう意味では、本作のプロジェクト自体が、安直だったことは否定できないし、日本国内では配信公開となったことは賢明だったとは思う。
が、しかしだ。
前述の通り1996年の「インデペンデンス・デイ(ID4)」に熱狂し、世評の揶揄や嘲笑を感じながらも、「GODZILLA」「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」と、一種ジャンル化した超大作ディザスタームービーを楽しんできた世代の映画ファンとして、2022年に観る本作は、ある意味感慨深く、やはり楽しかった。
流石にただの「災害映画」一辺倒のストーリーテリングだとマンネリは避けられないかと思っていたけれど、そこに月にまつわる“都市伝説”と“オカルト的学説”を強引にねじ込み、トンデモSF映画に「昇華」させている。
もちろん、このトンデモ展開を是と捉えるか、否と捉えるかは人それぞれだろうし、きっと多くの人たちは否定するのだろうけれど、SF映画ファンとしてこの強引な展開は非常に好ましかった。
キャスト的にも、長らくファンのハル・ベリーは女優として良い年のとり方をしていると思えるし、パトリック・ウィルソンを主演に配することによる良い意味での“B級映画感”も個人的には好印象。
少ない出演シーンながらドナルド・サザーランド、マイケル・ペーニャと脇役のキャストも意外に豪華だった。(マイケル・ペーニャは最後生きていてほしかったが……)
クライマックスの展開などは、言うまでもなく「ID4」やその他作品の焼き直しだし、既視感は否定できなかったが、それでもド定番な“負け犬たちのワンスアゲイン”展開には胸熱にならざるを得なかった。
もし日本で劇場公開されていたならば“大コケ”は不可避だったのかもしれないけれど、それでも僕はこの馬鹿映画を大スクリーンで観たかった。

 

おヒサシネマ! 「インデペンデンス・デイ」
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Information

タイトル ムーンフォール MOONFALL
製作年 2022年
製作国 アメリカ・中国・イギリス・カナダ
監督
ローランド・エメリッヒ
脚本
ローランド・エメリッヒ
ハラルド・クローサー
スペンサー・コーエン
撮影
ロビー・バウムガートナー
出演
ハル・ベリー
パトリック・ウィルソン
ジョン・ブラッドリー
チャーリー・プラマー
ケリー・ユー
マイケル・ペーニャ
ドナルド・サザーランド
 カロライナ・バルトチャク
鑑賞環境 インターネット(字幕・Amazon Prime Video)
評価 8点

 

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