#日本映画

2025☆Brand new Movies

「宝島」“「無知」に対して、耳を傾けるという最低限の振る舞いを”

映画の送り手も受け手も双方が扱いづらい“うちなーぐち”を俳優たちに徹底させて、敢えて“伝わりづらい”映画表現に挑んだことは、本作の根幹を成す演出意図であり、この物語に対する正しく、真摯な姿勢だったのだと痛感する。
2025☆Brand new Movies

「皇帝のいない八月」“今この瞬間にも存在し得る狂気と、名優が演じた無知な乗客の意味”

渡瀬恒彦演じる主人公の、“軍人”としての憂いと憤り、そこから端を発した“狂気”に対して、現代の日本人としてまったく共感できない。ただし、その共感性の欠如を、「理解できない」と一笑に付し、この映画の本質を見誤ることもまた愚かだろう。
2025☆Brand new Movies

「正体」“主人公と主演俳優の中に等しく存在する「人たらし」の魅力”

今年は、横浜流星という俳優にハマりつつある。(いやハマっている)これまで何となく演者として軽薄な印象を持ってしまっていたけれど、今年鑑賞した「片思い世界」そして「国宝」での役者としての“華”が本物であることを痛感した。そして、半年遅れで鑑賞し始めたNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」を見進めていくに伴って、その思いはさらに深まっている。
スポンサーリンク
2025☆Brand new Movies

「ラストマイル」“歩くよりも少し早いベルトコンベアーから降りる勇気を”

世界で最も有名な某巨大オンラインマーケットを題材にして、その配送センターや物流経路を舞台とした本作は、あらゆる側面においてとても現代的な作品だったと思う。現代人にとって、極めて身近な生活インフラが、現在進行系でもたらしている“功罪”を、巧みなストーリーテリングで捉えた佳作であることは間違いない。
スバラシネマReview

おヒサシネマ!「君の名は。」“独りよがりで、不完全。だからこそ生まれた果てしないエモさ”

“星降る夜”という数多の表現作品の中で、“美しきもの”として表されてきたものが孕む圧倒的な神々しさと絶対的な脅威。それは、美しすぎるものが併せ持つ荘厳さと残酷さの象徴だったように思う。
2025☆Brand new Movies

「国宝」“「人間失格」の先にある狂気と熱狂”

「芸」という、その価値の本質がひどく曖昧で、故に悪魔的な魅力を放ち続けるモノの狂気と、深淵。174分という映画の尺があまりにも短く感じられるほどに、光と闇が濃縮された映画世界に恍惚となり、うまく言葉を紡ぐことができない。
スバラシネマReview

おヒサシネマ!「新幹線大爆破」“50年の歳月を経て2つのスペクタクル映画が繋ぐ怒りと娯楽性”

20年前に本作を鑑賞した時の衝撃はことさら大きく、公開当時の日本映画界の「熱量」に圧倒されたことをよく覚えている。改めて1975年に生み出された本作を鑑賞してみると、その娯楽性は、やはりこの時代にしか生まれ得なかったのだと痛感する。
2025☆Brand new Movies

「新幹線大爆破」“日本人は「奇跡」に頼らず、確認し、準備し、試し、再確認して、対処する”

日本人は、最後の最後まで偶発的な「奇跡」を信じないし、頼らない。どんなに危機的な状況であっても、まず確認し、準備し、試して、再確認して、対処する。だから、その“危機”を回避し乗り越えた瞬間も、大仰に歓喜に湧いて抱き合ったりしない。ただ静かに安堵し、握手を交わすだけだ。
2025☆Brand new Movies

「名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)」“バカばかりのストーリーテリングに失笑が止まらない”

前週に引き続き、テレビ放映を子どもたちと共に横目で追いつつ、お決まりの荒唐無稽なストーリーテリングに終始“ツッコミ”を入れまくる。
スバラシネマReview

おヒサシネマ!「Love Letter(4Kリマスター)」“30年間のあらゆる記憶を巻き込んで、手紙のように残り続ける”

岩井俊二の『Love Letter』を初めて観たのは、1999年だった。劇場公開から4年が経過していて、当時高校3年生だった私は、レンタルビデオ(VHS)で本作を初鑑賞した。鮮烈だった。
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました