#ミステリー・サスペンス

2026☆Brand new Movies

「クライング・ゲーム」“もう少し退屈であれば、人間の「性」をもっと深めたかもしれない”

観終わってもなお、この作品の“類”を端的に表すのは難しいと感じた。なかなか一筋縄ではいかないそのストーリーテリングは、その重層感も含めて、アカデミー賞脚本賞の栄誉に相応しかったのだろうと思える。
2026☆Brand new Movies

「天城越え」“少年の衝動と映画的不条理、それをすべて支配し許容させる田中裕子の艶”

最後に描き出される少年の“ある衝動”。14歳の少年を突き動かしたその衝動の正体は何だったのだろうか。映画上ではとても唐突に、そして伝わりにくく表現されているため、鑑賞者の多くはキョトンとし、その不条理感に困惑してしまうことも否めないだろう。
2025☆Brand new Movies

「ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン」“教会内を支配する光と闇が、人間の本質を浮かび上がらせる”

ダニエル・クレイグが名探偵“ブノア・ブラン”を演じるミステリーシリーズ第三弾。
過去二作においても、“007”のパブリックイメージからの脱却と、オリジナルの名探偵像の構築に成功してきたダニエル・クレイグだが、本作では長く伸びた髪に髭も蓄え、風貌的にもすっかりと板についた名探偵を好演している。
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2025☆Brand new Movies

「陪審員2番」“見通しの悪い土砂降りの中で、曖昧になる「正義」の行方”

仕事上、企業や組織のブランディングのためのコピーライティングのような職務も担っている。最近の案件で、「正義」というキーワードに言及したブランドステートメントを作成していたこともあり、本作が描き出した「正義」という人間の固定概念を軸にした事のあらましは、個人的にもとてもタイムリーで興味深く、何よりも映画として圧倒的に面白かった。
2025☆Brand new Movies

「プラットフォーム」“衝動的鑑賞の価値はあるが、短編に纏められたならばもっと良かった予感”

「衣食足りて礼節を知る」ではないけれど、“餓え”という極限状態にこそ、人間というものの本質は現れる。それは倫理的な観念を度外視して、人間が一生物である以上致し方ないことだとも思える。
2025☆Brand new Movies

「爆弾」“令和の怪人スズキタゴサクの狂気と憂鬱”

もはや“怪人”のような謎の男と、密室で対峙して繰り広げられる文字通りの“爆弾サスペンス”。容赦なく死傷者数が積み重なっていく展開には、映画内での絶望感を越えて、現実社会そのものが薄っすらと感じ始めている一種の「終末感」を覚えた。
2025☆Brand new Movies

「大統領の陰謀」“何が変わらなくとも、あり続けるべき報道の姿勢と責任”

主人公の新聞記者が、情報源の男に会うために、人気のない地下駐車場の階段を足早に下りていく。どこにでもありそうな建物をロケーションにしたありふれたシーンのはずだけれど、彼がこれから危険を伴う“真相”へと踏み入っていく状況がよく伝わってきた。
2025☆Brand new Movies

「皇帝のいない八月」“今この瞬間にも存在し得る狂気と、名優が演じた無知な乗客の意味”

渡瀬恒彦演じる主人公の、“軍人”としての憂いと憤り、そこから端を発した“狂気”に対して、現代の日本人としてまったく共感できない。ただし、その共感性の欠如を、「理解できない」と一笑に付し、この映画の本質を見誤ることもまた愚かだろう。
2025☆Brand new Movies

「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」“沈みゆく水の都で、藻掻き再浮上する名探偵の苦悩”

過去作と比べると、題材の知名度や舞台の華やかさでは劣るため、決して豪華絢爛とは言えず、地味な映画世界ではあったけれど、ミステリのテーマと映像的な世界観が合致した完成度の高さがあったと思う。
2025☆Brand new Movies

「アマチュア」“プロットとキャスティングで勝利した未来の発掘良品候補”

分析官の男が、愛する妻を殺害された怒りと、自身が所属する組織に対する失望からいきり立ち、前代未聞の復讐劇を繰り広げるというアイデアが、スパイ映画の系譜の中でも新しく、エキサイティングだった。
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