「ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン」“教会内を支配する光と闇が、人間の本質を浮かび上がらせる”

2025☆Brand new Movies

評価:  8点

Story

テキストテキストテキストテキスト Filmarksより

『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』配信日決定 - Netflix
ブノワ・ブランが新たな謎解きに挑む『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』の配信日が決定。脚本と監督はライアン・ジョンソン。出演はダニエル・クレイグ、ジョシュ・オコナー、グレン・クローズ、ジョシュ・ブローリン、ミラ・クニス、ジェ…more

 

Review

ダニエル・クレイグが名探偵“ブノア・ブラン”を演じるミステリーシリーズ第三弾。
過去二作においても、“007”のパブリックイメージからの脱却と、オリジナルの名探偵像の構築に成功してきたダニエル・クレイグだが、本作では長く伸びた髪に髭も蓄え、風貌的にもすっかりと板についた名探偵を好演している。
その渋いビジュアルの一方で、“ブノア・ブラン”という本シリーズオリジナルの名探偵キャラクターは、皮肉を孕んだユーモアと人間的なウィットに富んでおり、そこが本シリーズの大きな魅力の一つである。そのキャラクターの魅力を体現した主演俳優を、まず称えたい。

舞台は、閉鎖的な小さな町の象徴ともいえる教会。
クセだらけの信者たちに崇拝される、さらにクセの強いカリスマ司祭が、ミサの真っ只中に殺害される。
「教会」という、長き歴史にわたってあらゆる側面で“密室”となってきた空間を舞台に、人間の信心の頑なさと、その危うさが炙り出されていく。

個人的に最も印象的だったのは、「光」を演出する映像表現だ。
同一カットであるにもかかわらず、日差しを表現する光源によって、登場人物たちの表情が光に包まれたかと思えば、次の瞬間には薄暗い影の中に沈む。
教会内で移り変わるその光の具合は、この世界そのもの、そして人間の内に孕まれた表裏一体の光と闇を巧みに表していた。

殺人者、被害者、そして事件に遭遇したすべての登場人物たちにおいて、光と闇が等しく存在していることを伝える映像表現とストーリーテリングが総じてバランスよく作り込まれており、見事だった。
作中、教会の大扉が開き、光の中から人物が現れるシーンが二度繰り返される。容疑者の一人であり、語り部でもある新人司祭にとって、その二人の人物は、悪魔であり、天使であった。
同じように光に包まれて見えた人物であっても、本人が見ていた世界によって、その正体はまったく異なるということ。

何を信じ、そして何を全うするのか。
人間の愚かさと弱さ、それでも貫き通される傲慢で悲しい信念を映し出した、上質なマーダーミステリーだったと思える。

 

「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」映画レビュー “今宵、上質なミステリに満ち足りる”
“ミステリ”好きには堪らなく楽しい。現代に蘇った“アガサ・クリスティー”的な或る家族の悲喜劇を、オールスターキャストで織りなす映画世界は決して華美ではないが芳醇で、多様な娯楽性が満ち溢れている。
「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」映画レビュー “安定感を増す「古典的」という新鮮さ”
ジェームズ・ボンドから解放されたダニエル・クレイグが名探偵ブノア・ブランに扮するNetflixオリジナルミステリーシリーズ第二弾。 二作目にして、名探偵役がすっかり板についているダニエル・クレイグ。この無骨な俳優が、このウィットに富んだ名探偵役にこれ程ハマるとは思わなかった。

 

Information

タイトル ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン WAKE UP DEAD MAN: A KNIVES OUT MYSTERY
製作年 2025年
製作国 アメリカ
監督 ライアン・ジョンソン
脚本 ライアン・ジョンソン
撮影 スティーヴ・イェドリン
出演 ダニエル・クレイグ
ジョシュ・オコナー
グレン・クローズ
ジョシュ・ブローリン
ミラ・クニス
ジェレミー・レナー
ケリー・ワシントン
アンドリュー・スコット
ケイリー・スピーニー
ダリル・マコーマック
鑑賞環境 インターネット(字幕・Netflix)
評価 8点

 

Recommended

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました