
評価: 8点
Story
テキストテキストテキストテキスト Filmarksより
『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』配信日決定 - Netflixブノワ・ブランが新たな謎解きに挑む『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』の配信日が決定。脚本と監督はライアン・ジョンソン。出演はダニエル・クレイグ、ジョシュ・オコナー、グレン・クローズ、ジョシュ・ブローリン、ミラ・クニス、ジェ…more
Review
ダニエル・クレイグが名探偵“ブノア・ブラン”を演じるミステリーシリーズ第三弾。 過去二作においても、“007”のパブリックイメージからの脱却と、オリジナルの名探偵像の構築に成功してきたダニエル・クレイグだが、本作では長く伸びた髪に髭も蓄え、風貌的にもすっかりと板についた名探偵を好演している。 その渋いビジュアルの一方で、“ブノア・ブラン”という本シリーズオリジナルの名探偵キャラクターは、皮肉を孕んだユーモアと人間的なウィットに富んでおり、そこが本シリーズの大きな魅力の一つである。そのキャラクターの魅力を体現した主演俳優を、まず称えたい。
舞台は、閉鎖的な小さな町の象徴ともいえる教会。 クセだらけの信者たちに崇拝される、さらにクセの強いカリスマ司祭が、ミサの真っ只中に殺害される。 「教会」という、長き歴史にわたってあらゆる側面で“密室”となってきた空間を舞台に、人間の信心の頑なさと、その危うさが炙り出されていく。
個人的に最も印象的だったのは、「光」を演出する映像表現だ。 同一カットであるにもかかわらず、日差しを表現する光源によって、登場人物たちの表情が光に包まれたかと思えば、次の瞬間には薄暗い影の中に沈む。 教会内で移り変わるその光の具合は、この世界そのもの、そして人間の内に孕まれた表裏一体の光と闇を巧みに表していた。
殺人者、被害者、そして事件に遭遇したすべての登場人物たちにおいて、光と闇が等しく存在していることを伝える映像表現とストーリーテリングが総じてバランスよく作り込まれており、見事だった。 作中、教会の大扉が開き、光の中から人物が現れるシーンが二度繰り返される。容疑者の一人であり、語り部でもある新人司祭にとって、その二人の人物は、悪魔であり、天使であった。 同じように光に包まれて見えた人物であっても、本人が見ていた世界によって、その正体はまったく異なるということ。
何を信じ、そして何を全うするのか。 人間の愚かさと弱さ、それでも貫き通される傲慢で悲しい信念を映し出した、上質なマーダーミステリーだったと思える。


Information
| タイトル | ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン WAKE UP DEAD MAN: A KNIVES OUT MYSTERY |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | ライアン・ジョンソン |
| 脚本 | ライアン・ジョンソン |
| 撮影 | スティーヴ・イェドリン |
| 出演 | ダニエル・クレイグ |
| ジョシュ・オコナー | |
| グレン・クローズ | |
| ジョシュ・ブローリン | |
| ミラ・クニス | |
| ジェレミー・レナー | |
| ケリー・ワシントン | |
| アンドリュー・スコット | |
| ケイリー・スピーニー | |
| ダリル・マコーマック | |
| 鑑賞環境 | インターネット(字幕・Netflix) |
| 評価 | 8点 |
Recommended



コメント