
評価: 8点
Story
ニューヨークで暮らす一人ぼっちのドッグ。 ある夜、通販番組に惹きつけられたドッグは 電話に手を伸ばす。 後日届いた大きな箱を 胸を躍らせながら開封し、 部品を組み上げるとロボットが完成する。 夏の煌めく陽気の下、 ドッグとロボットは友情を深めてゆくが―― Filmarksより
2024年11月公開『ロボット・ドリームズ』|特報第96 回アカデミー賞 長編アニメーション映画賞ノミネート11 月 新宿武蔵野館ほか 全国ロードショー【STORY】その出会いに世界中が恋をしたニューヨークで暮らす一人ぼっちのドッグ。ある夜、通販番組に惹きつけられたドッグは電話に手を伸ばす…more
Review
“特別”ではない出会いと、別れ。それはきっと、この世界に生きるほとんどすべての人たちが、知らず知らずの内に繰り返している人生の機微だろう。
一つの友情や愛情が、人生を通して何十年も続くこともあろうし、決して手放したかったわけではないのに、いつの間にか途切れ、霧散してしまうこともある。
どちらが幸福で、どちらが不幸という話ではなくて、私たちの人生はその繰り返しの中で、良くも悪くも耕され、豊かになったり、逆に荒れて枯れてしまうということだと思う。
孤独に苛まれる人生の中で、ついに生まれた友情を必死に繋ぎ止めようと、主人公の“犬”は東奔西走し、“ロボット”は再び彼と出会うことを夢見て待ち続ける。
深夜放送の通信販売で買った友情だったとしても、その出会いの経緯はもはや重要ではなく、彼らの友情は本物だったと思う。
この映画が、最初から最後まで一貫しているのは、人間同士の繋がりは必ずしも絶対的ではないということだろう。
何かほんの少し間違いをおかしてしまったり、タイミングを違えてしまっただけで、相手との距離は大きく隔たれ、遠く手が届かなくなってしまう。
そんな当たり前に残酷な人生の様を、このアニメーションは台詞を一切用いず、シンプルなキャラクター造形と、時間経過によって切実に描き出している。
ふいの出来事で離れ離れになってしまった数カ月間、何度も“犬”と再開する情景を夢想する“ロボット”の夢の風景が美しくも、切ない。
一方の“犬”も、再び訪れた孤独を何とか紛らわそうと、色々と試みてはみるものの、やはり最終的には“ロボット”の面影を辿ってしまう。
相手との再会を焦がれる思いは、お互いに通じ合っていたはずなのに、悲しくも運命はすれ違う。
私たちの人生においても、そういうことはままあって、すれ違いと邂逅を繰り返しながら、人間同士の関係は構築されては崩れて、また新たに積み上がっていくものだろう。
「時間」がそうであるように、過ぎ去ってしまったものは全く同じにもとに戻ることはない。人生は誰にも平等に不可逆で、ほろ苦い。
ただ、だからこそ、一つの出会い、一つの別れが、こんなにも嬉しくて、こんなにも悲しい。そして、それが積み重なっていくことは、やはり悪くないと思える。
犬とロボットが織りなす、あまりにも普遍的な友情、そして別れと出会いの物語。
ポップでキュートな1980年代のNYのカルチャーと音楽に包まれながら、切なくも心が洗われた。
Information
| タイトル | ロボット・ドリームズ |
| 製作年 | 2023年 |
| 製作国 | スペイン/フランス |
| 監督 | パブロ・ベルヘル |
| 脚本 | パブロ・ベルヘル |
| キャラクターデザイン | ダニエル・フェルナンデス・カサス |
| 鑑賞環境 | インターネット(字幕・U-NEXT) |
| 評価 | 8点 |



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