評価:
8点Story
アベンジャーズの一員として世界を救った《ガーディアンズ》の、最後にして最大のお祭り騒ぎ!サノスとの戦いで最愛の恋人を失ったショックから立ち直れないピーターが率いるガーディアンズに、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵が現れ、ロケットは命を失う危機に…。大切な仲間の命を救うカギは、ロケットの過去に隠されていた。全銀河の運命とチームの存続を懸けた、最強の落ちこぼれチームvs最凶の完璧主義者の感動のラスト・バトルが今、始まる──。 公式サイトより
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Review
銀河の果てにゴミ屑のように放り捨てられたアウトローたちが、三度宇宙の危機を救うため“最後”の戦いに挑む。
2014年の“Vol.1”公開時は、スーパーヒーロー不在のこの寄せ集めチームが、MCUの中でこんなにも愛すべき存在になるとは思いもよらなかった。
だが、この愛すべき馬鹿者たちは、シリーズを重ねるほどにその愛着を深め、70~80年代のヒットチューンをガンガンに響かせながら、ノリと歪な絆でその存在感を唯一無二のものにしてきた。
そんな彼らの文字通り銀河を股に掛けた冒険も、ついに今作で終着を迎えた。
もっとシリーズ化を続けてほしいのはやまやまだし、それが可能な世界観ではあるのだけれど、もはや致し方あるまい。
この映画世界の紛れもない“創造者”であるジェームズ・ガンが、MCUからDCへ去ってしまうのだから。
何のしがらみもない無責任な映画ファンの一人としては、MCUで「ガーディアンズ~」の続編を作り続けて、DCで「スーサイド・スクワッド」の続編を作り続けてもいいじゃん!と思ってしまうが、そういうわけにもいかんだろう。
ここは、ジェームズ・ガンをクリエイティブのトップに招き入れたDCコミックスの英断を褒めるしかない。
“創造者”による最後の作品だけあって、本作には、ジェームズ・ガン本人の人生観が如実に表れていた。
過去の失敗により、一度は業界から「追放」を余儀なくされ、新進気鋭の絶頂から叩き落された。
まさにそれは、母親の死の直後に宇宙の荒くれ者たちに攫われたピーター・クイルしかり、非道な改造を施されたロケットやネビュラしかり、家族を虐殺されたガモーラやドラックスらしかり、彼らが絶望の淵で、必死に“生”にしがみついた様に重なってくる。
“クソガーディアンズ”の面々と同様に、ジェームズ・ガンもまたどん底から仲間たち(=世界中の映画ファン)から引き上げられ、「再戦」の機会を得られたという事実が、本作の展開を更に胸熱なものにしていることは間違いない。
そして、その経緯を彷彿とさせる台詞を、ガン監督のカムバックを真っ先に先導したデイヴ・バウティスタ演じるドラックスが発することが益々感慨深い。
敵キャラのアダム・ウォーロックに向けた「やり直せばいい」という台詞は、バウティスタがガン監督に向けた思いそのままだったろうし、圧倒的強者ではあるが幼く愚かしいアダムのキャラクター造形そのものが、ガン監督による自己投影だったに違いない。
シリーズ全編通して、ブラックジョーク満載の悪ノリを交えつつ、サイケで破天荒な本作の世界観やキャラクターたちが、世界中の映画ファンに愛されたのは、その根幹に普遍的であまりに真っ当な人間のドラマが存在し、グルートの枝葉のように優しく、力強く張り巡らされていたからだろう。
ジェームズ・ガンが離れる以上、シリーズの続編はもう製作されるべきではない。
でも、映画自体は生まれなくとも、“クソガーディアンズ”の冒険はこれからも、宇宙の果てのどこかで続いていく。
それを想像するだけで、僕たちはずっと楽しい。


Information
タイトル | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 GUARDIANS OF THE GALAXY VOL. 3 |
製作年 | 2023年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | |
脚本 | |
撮影 | |
出演 | |
声の出演 | |
鑑賞環境 | 映画館(IMAX3D・字幕) |
評価 | 8点 |
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画像引用:https://www.theatlantic.com/culture/archive/2023/04/guardians-of-the-galaxy-vol-3-marvel-movie-review/673895/
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