
評価: 6点
Story
ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が”プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!果たして、彼は生きてここから出られるのか!? Filmarksより
「縦」構造SFシチュエーション・スリラー『プラットフォーム』予告編階層に分かれた“穴”のあいた建物。各階層には2人。食事は降りてくるプラットフォームがある間だけ。何でも 1 つだけ持ち込める---2021 年 1 月 29 日 新宿バルト9ほか 全国ロードショー配給:クロックワークス©BASQUE FIL…more
Review
TikTokで流れてきた本作の切り抜き動画を目にして、ほぼ衝動的に鑑賞に至った。
あらゆる情報が蔓延し、自分が気になっている作品であればあるほど、その面白さの程度が大体感じ取られてしまう昨今だからこそ、こういう映画鑑賞のプロセスも大切にしたいと思っている。
「世にも奇妙な物語」的な語り口のショートムービーなのかとも思ったが、上映時間は94分と、この手の映画としてはわりとしっかりと作り込まれたスペイン産スリラーだった。
200階以上はあると思われる巨大で無機質な塔に閉じ込められた登場人物たちが、上層階から降りてくる“残飯”を唯一の食事として生き延びるしかない様が描き出される。
居住階は1ヶ月ごとにランダムに変えられ、当然、居住層が下がれば下がるほど、“残飯”すら無くなり、人は人ではいられなくなる。
「衣食足りて礼節を知る」ではないけれど、“餓え”という極限状態にこそ、人間というものの本質は現れる。それは倫理的な観念を度外視して、人間が一生物である以上致し方ないことだとも思える。
とても極端で、リアリティの無い舞台設定ではあるけれど、本作が究極的にシンプルに映し出した「構造」は、実のところそのまま現実社会の構造のメタファーであり、人間社会の本質をあぶり出している。
非人道的で悲壮な環境から脱するために、主人公たちは、“上”から与えられる食料の分配や、計画的な摂取を全階層の居住者に促そうと、説得や暴力による強制を試みる。
が、結局はそれらの行為すらも独善的で無意味な顛末に陥る展開が、とても虚無的で、絶望的だった。
ある種観念的なラストシーンで締めるストーリーテリングには、映画的にややアンフェアな印象も拭えなかったけれど、終始一貫して映し出された世界観が、敢えて非現実的な寓話のように表現されていることを踏まえると、これも間違いではないラストシーンだったとは思う。
ただし、そういうストーリーテリングなのであれば、やはり94分という時間は少しばかり冗長だった。30分〜60分程度の短編、もしくは中編で纏められたならば、この世界観が孕む「真意」を、もっと想像性豊かに表現できたように感じる。
個人的には、20年来のフェイバリット作品である「オール・アバウト・マイ・マザー」での熱演が印象強いスペイン人女優のアントニア・サン・ファンの演技を久しぶりに観られたことが嬉しかった。
Information
| タイトル | プラットフォーム EL HOYO |
| 製作年 | 2019年 |
| 製作国 | スペイン |
| 監督 | |
| 脚本 | |
| 撮影 | |
| 出演 | |
| 鑑賞環境 | インターネット(字幕・U-NEXT) |
| 評価 | 6点 |



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