「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」“20年前の自身のループ感を思い出し、励ましたくなる新感覚のタイムループ”

2025☆Brand new Movies

評価:  7点

Story

とある小さな広告代理店で働く主人公・吉川朱海(円井わん)は、「この仕事が終わったら、憧れの人がいる大手広告代理店へ転職する」と燃え上がる野心を持って仕事に取り組んでいた。しかし、次から次に降ってくる仕事で、余裕はゼロ。プライベートも後回し。月火水木金土日、休みなく働き続けていた、ある月曜日の朝。後輩 2 人組から、こう告げられる。「僕たち、同じ一週間を繰り返しています!このタイムループを、夢の出来事だと思って忘れないために、合図を覚えてください。鳩です…」。ひとり、またひとりと、「白い鳩」の合図に導かれ、タイムループの中に閉じ込められているのを確信する社員たち。だが、その脱出の鍵を握る永久部長(マキタスポーツ)は、いつまで経ってもタイムループに気づいてくれないのだった。 Filmarksより

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』予告【10.14公開】(感想ver)
絶望と希望の月曜日が押し寄せる!映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』、2022年10月14日先行公開・10月28日全国ロードショー。■10月14日(金)先行公開される劇場はこちら渋谷・シネクイント名古屋・…more

 

Review

20年ほど前、「働き方改革」なんて言葉が存在しなかった頃、フリーター上がりの新入社員だった私は、毎日22時近くまで勤務し、当時の上司の顔色をうかがいつつようやく帰宅するという日々だった。
今思えば、仕事らしい仕事などしておらず、ただただ盲目的に職場の雰囲気に隷属していただけだったように思える。
要は、自分自身が“無知”で“無能”だった故に、そこから脱することに対して思考停止していたのだろう。

タイムリープもの好きとして、前々から気になっていた本作をようやく鑑賞して、そんな随分前の己の職場環境を思い出した。

ブラック企業、ホワイト企業のレッテルに関わらず、もしくは会社勤めも自営業も関係なく、社会で働くという行為をしている人間であれば、誰しも感じたことがあるであろう“ループ感”を、ダイレクトにタイムループものとして描き出したアイデアが、まず潔くて、ユニークだった。
都内の小さな広告代理店という舞台設定は、私自身が地方のWeb制作に従事していることもあり、とても感情移入しやすく、社内のクリエイティブにおけるジレンマや、下請業者ならではの悲哀は、その“あるある感”も含めてうまく描きこまれていたと思う。

映画なので、都合よく編集され、可笑しく観られるけれど、自分があの状況に陥ったことを考えれば考えるほど、文字通りの無間地獄に対して恐怖に震える。
この手のタイムループ作品に共通することではあるが、主人公をはじめとする登場人物たちは、映し出されている描写の何十倍、何百倍ものループを繰り返しているはずであり、その途方もなさは、精神の崩壊を容易に想像させる。

映画作品のストーリーとして、緻密に練り込まれているとは言えず、諸々の粗や無理筋な展開は散見されるけれど、そういった強引さも、ライブ感のある舞台劇を観ているようで楽しく、本作の魅力と言っていいだろう。

主演の円井わんは、ここのところNHKの朝ドラやCMで度々顔を見るようになり、次代の名バイプレイヤーとしての存在感を高めている俳優。人一倍努力し、野心と希望を持って仕事をしているけれど、すべてが空回りする弱小広告代理店のディレクター像を好演していた。
主演女優をはじめとして、実在感のある無名俳優たちが、この狂騒劇を支えていて、そのキャラクター構造も舞台劇を観ているようだった。そんな中で異彩を放つマキタスポーツのキャラクター的な立ち位置も的確だった。

ただただ盲目的に目の前の仕事に向かい続ける主人公は、ようやく自分が存在していた職場環境の本質に気づき、“無知”から脱却する。
延々と続く“タイムループ”の状況と、自分自身の“働き方”を重ね合わせて、主人公が進み出すべき道を示したストーリーテリングは、現代的で、普遍的な教訓も導き出していた。

映画作品として決して完成度の高い作品ではなく、またそれを求める類の映画でもないだろう。
ただ、形ばかりの「働き方改革」という言葉のその下で、今日もいつもと同じ“月曜日”を迎え続けているすべての社会人を励まし、来週こそは新しい“月曜日”を迎えられることを願わずにはいられない娯楽映画だった。

 

Information

タイトル MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
製作年 2022年
製作国 日本
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境 インターネット(Amazon Prime)
評価 7点

 

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