おヒサシネマ!「ジュラシック・ワールド」 “惨劇の「教訓」を無視したある意味現実的な世界線”

スバラシネマReview

評価:  7点

Story

コスタリカ沖のイスラ・ヌブラル島では、かつて多くの犠牲者を出した“ジュラシック・パーク”に変わる新たな恐竜テーマ・パーク“ジュラシック・ワールド”がオープンし、連日多くの観光客でにぎわっていた。この日は、パークの監督官クレアの甥で16歳のザックと11歳のグレイの兄弟が来園していた。しかし多忙なクレアは兄弟に割ける時間などなく、彼らの相手を部下に任せることに。折しもパークでは、Tレックスよりも巨大で凶暴な新種の恐竜“インドミナス・レックス”を遺伝子組み換え操作で創り出し、新たな目玉アトラクションとして準備中だった。獰猛なヴェロキラトプルさえ手なずけてしまう動物行動学の専門家オーウェンは、そんなパークの経営方針に警鐘を鳴らすのだったが…。 allcinemaより

 

Review

前シリーズ3部作で、人間の“神の真似事”による惨劇を散々目の当たりにしたはずなのに、ついに完成してしまった禁断のアミューズメントパーク。
“パーク”から“ワールド”へと屋号を変えて描き出されたこの新シリーズの第一作目は、良くも悪くもド派手な映画だ。

劇場鑑賞した初見時は、まさに「愚の骨頂」と罵らずにはいられない人間たちの呆れた浅ましさに対して、最後までどこかノリきれず、画面いっぱいに映し出される圧倒的になエンターテイメントを心から楽しむことができなかった。
ただ、今回数年ぶりに再鑑賞してみると、シンプルに楽しい映画だなと思えた。

「ジュラシック・パーク4」ではなく、「ジュラシック・ワールド」とわざわざタイトルを変えて仕切り直していることからも、本作が前シリーズから地続きではあるものの、何かしらの意図を持って一線を画した映画企画であったことは明らかだろう。
かつての悲劇を教訓として、遺伝子操作による“恐竜型のキメラ”を生み出すこと自体を闇に葬った世界線もあっただろうけれど、反対に、更にその蛮行を加速させて、科学技術の進化という妄信の下で、禁断の領域を広げてしまう世界線(すなわち本作)もあっただろうということ。

それはまさに、今現在の現実世界で渦巻く原子力開発の要不要論にも通ずる。
いくら人災や天災による悲劇を目の当たりにしても、人間は、一度手にした強大な「力」を簡単に手放すことはできない。

そういう人間の愚かで狂気的な「業」を踏まえると、過去三作で惨劇が巻き起こったと言っても、せいぜい数十人程度の死人が出たにすぎず、しかもどれも極めて秘密裏な状況下であったことを考えると、その数十人の死者数も「非公式」に処理されたに違いない。
そうならば、聞こえの良い大義名分のもとで、禁忌に塗れた巨大テーマパークがオープンしてしまうことは、もはや避けられないことであり、むしろこちらの世界線の方が現実的にすら思えてくる。

そんな“パラレルワールド”的な視野を持って本作を観たならば、開き直ったエンターテイメントとして堪能できる。
主演のクリス・プラットは、愛すべきスター性を武器にして“現代版ターザン”を好演してるし、陸空海とバラエティー豊かに暴れまわる恐竜たちの娯楽性も絶大だ。
随所に挟み込まれる1993年の「ジュラシック・パーク」に対するオマージュも嬉しいところ。

ヒロインの役どころがあまり魅力的ではなかったり、インド人CEOのキャラクターの使い方が勿体なかったりと、不満要素も沢山あるけれど、新シリーズの一作目としても十分な出来栄えだったのだなと。

 

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Information

タイトルジュラシック・ワールド JURASSIC WORLD
製作年2015年
製作国アメリカ
監督
コリン・トレヴォロウ
脚本
リック・ジャッファ
アマンダ・シルヴァー
デレク・コノリー
コリン・トレヴォロウ
撮影
ジョン・シュワルツマン
出演
クリス・プラット
ブライス・ダラス・ハワード
ヴィンセント・ドノフリオ
タイ・シンプキンス
ニック・ロビンソン
オマール・シー
B・D・ウォン
イルファン・カーン
ジュディ・グリア
鑑賞環境インターネット(Amazon Prime Video・字幕)
評価7点

 

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