「シャドウズ・エッジ」“生き残り続ける二人のロートルに賞賛と共にムチを打つ”

2026☆Brand new Movies

評価:  8点

Story

ネオンに彩られたマカオ。 その裏で、神出鬼没のサイバー犯罪集団が静かに牙を研いでいた。 警察はなす術もなく、一線を退いた追跡のエキスパート・黄徳忠(ジャッキー・チェン)に頼ることに。 彼は若き精鋭たちとチームを組み、最新テクノロジーと旧式の捜査術で、犯罪集団を追い始める。 辿り着いたのは、“影”と呼ばれる指名手配犯の元暗殺者(レオン・カーフェイ)。 彼を首領とした犯罪集団は、巧みな変装と高度なコンピュータ技術を駆使し、警察の追跡をかわしていく。 そして、追跡から15日目。 ついに警察は“影”の居場所の特定に成功。 しかし、彼らを待ち受けるのは、最悪の罠だった…。 Filmarksより

12月12日(金)公開 『シャドウズ・エッジ』|30秒予告
ジャッキー・チェン主演最新作!追跡のエキスパートが率いる警察VS元暗殺者が従える犯罪集団サイバー・バトル・アクション2025年12月12日(金)公開klockworx-asia.com/shadowsedge/【CAST&STAFF】監督:…more

 

Review

“ジャッキー・チェン映画”をこれほどまでに堪能したのは、何年ぶりだろうか。
この数十年の間に、「アクション映画引退作品!」という街の家具店の“閉店セール”まがいの触れ込みを何度見てきたか分からないが、御年70歳を越えたアジアを代表するアクションスターが魅せた“エンターテインメント”は、今この時代にも燦然と輝いていた。

とっくに“高齢者”と呼ばれる年齢に達した稀代のアクションスターにおいては、当然ながら老いや衰えを感じる。
そこには、「ポリス・ストーリー」の時代のように、エネルギーがほとばしるアクションやユーモラスは鳴りを潜め、無表情で一見しょぼくれた、“ロートル”としてのキャラクター性がすっかり板についている。
ただし、いつからか、“無表情”のジャッキー・チェンには、独特の怖さと不気味さが滲み出るようになり、それがこの俳優の新たな「味」となっている。
2017年公開の「ザ・フォーリーナー 復讐者」においても、その「味」が発揮されていたが、本作でもその俳優としての変遷の妙がしっかりと生かされていた。

隠居していた伝説的な刑事が、再び日の当たる表舞台に駆り出されて、こちらも影に潜んでいた伝説的暗殺者と対峙する。本作の娯楽の肝は、まさにその光と影のロートル同士の対峙と、そこに内包される両者のドラマであろう。
そこで重要になってくるのが、ジャッキー・チェンと対峙する影側のロートルだ。そこにキャスティングされたのが御大レオン・カーフェイであるという座組が、本作をジャッキー・チェン映画としても香港アクション映画としても「特別」なものにしている。

レオン・カーフェイといえば、ジャッキー・チェンが牽引した香港アクション映画の隆盛を彩った“立役者”の一人であり、レジェンドである。
(個人的な映画鑑賞遍歴から挙げると、昔々テレビのロードショーで観た「炎の大捜査線」の“大バッドエンド”が忘れられない。)
鑑賞中はこの悪役がレオン・カーフェイであることに気づかず、ジャッキーに負けず劣らず渋く、滲み出る恐ろしさが印象的な俳優だなと終始感じつつ観終えた。鑑賞後、「レオン・カーフェイ」というクレジットを見て愕然とするとともに、本作が醸し出す重層的な娯楽性の意味が、腑に落ちるように感じた。

エンドクレジットには、ジャッキー映画お約束の“NGシーン”も用意されており、80年代から90年代にかけて彼の映画を堪能してきたものとしては、満足度に拍車がかかった。
そこでも印象的だったのは、もはや香港映画業界の「師」としてのジャッキー・チェンの存在感。
ヒロインのチャン・ツィフォンに対して、アクションシーンの撮影後、相手役のスタントマンに御礼を言うように差し向けたり、盟友レオン・カーフェイと共に若いスタッフたちを盛り上げたりと、その存在の大きさが感じられた。

嬉しいのは、執拗なまでの対決を経て、文字通りズタボロになった光と闇のロートルたちが、二人ともしっかりと“生き残っている”ということだ。
エンディングでは、両者それぞれに意味深なシーンも差し込まれている。老体にムチを打ってもらい、是非とも続編を期待したい。

 

「ザ・フォーリーナー 復讐者」映画レビュー “眠れる成龍を怒らすなかれ”
終始無表情のまま、あまりにも大きな悲しみと怒りを膨らませ爆発させるジャッキー・チェンが、哀しく、怖い。 スパイ映画のスリリングさと、ジャッキー・チェン映画のアクション性が見事に融合した映画世界はとてもエキサイティングだった。
おヒサシネマ! 「ポリス・ストーリー3」
最近の作品はほとんど観ていないけれど、ジャッキー・チェンの映画もそれなりには観ている。個人的に一番好きな“ジャッキー映画”は、この「ポリス・ストーリー3」だ。何よりも、ジャッキー・チェンが一番元気の良い時期の映画だし、この後のハリウッド進出…more

 

Information

タイトル シャドウズ・エッジ 捕風追影  THE SHADOW’S EDGE
製作年 2025年
製作国 香港・中国
監督 ラリー・ヤン
脚本 ラリー・ヤン
撮影 チエン・ティエンティエン
出演 ジャッキー・チェン
チャン・ツィフォン
レオン・カーフェイ
ツーシャー
ジュン
ジョウ・ジェンジエ
ワン・ジーイー
ラン・ユェティン
チェイニー・リン
鑑賞環境 Web配信(Amazon Prime・字幕)
評価 8点

 

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