
評価: 8点
Story
ネオンに彩られたマカオ。 その裏で、神出鬼没のサイバー犯罪集団が静かに牙を研いでいた。 警察はなす術もなく、一線を退いた追跡のエキスパート・黄徳忠(ジャッキー・チェン)に頼ることに。 彼は若き精鋭たちとチームを組み、最新テクノロジーと旧式の捜査術で、犯罪集団を追い始める。 辿り着いたのは、“影”と呼ばれる指名手配犯の元暗殺者(レオン・カーフェイ)。 彼を首領とした犯罪集団は、巧みな変装と高度なコンピュータ技術を駆使し、警察の追跡をかわしていく。 そして、追跡から15日目。 ついに警察は“影”の居場所の特定に成功。 しかし、彼らを待ち受けるのは、最悪の罠だった…。 Filmarksより
12月12日(金)公開 『シャドウズ・エッジ』|30秒予告ジャッキー・チェン主演最新作!追跡のエキスパートが率いる警察VS元暗殺者が従える犯罪集団サイバー・バトル・アクション2025年12月12日(金)公開klockworx-asia.com/shadowsedge/【CAST&STAFF】監督:…more
Review
“ジャッキー・チェン映画”をこれほどまでに堪能したのは、何年ぶりだろうか。
この数十年の間に、「アクション映画引退作品!」という街の家具店の“閉店セール”まがいの触れ込みを何度見てきたか分からないが、御年70歳を越えたアジアを代表するアクションスターが魅せた“エンターテインメント”は、今この時代にも燦然と輝いていた。
とっくに“高齢者”と呼ばれる年齢に達した稀代のアクションスターにおいては、当然ながら老いや衰えを感じる。
そこには、「ポリス・ストーリー」の時代のように、エネルギーがほとばしるアクションやユーモラスは鳴りを潜め、無表情で一見しょぼくれた、“ロートル”としてのキャラクター性がすっかり板についている。
ただし、いつからか、“無表情”のジャッキー・チェンには、独特の怖さと不気味さが滲み出るようになり、それがこの俳優の新たな「味」となっている。
2017年公開の「ザ・フォーリーナー 復讐者」においても、その「味」が発揮されていたが、本作でもその俳優としての変遷の妙がしっかりと生かされていた。
隠居していた伝説的な刑事が、再び日の当たる表舞台に駆り出されて、こちらも影に潜んでいた伝説的暗殺者と対峙する。本作の娯楽の肝は、まさにその光と影のロートル同士の対峙と、そこに内包される両者のドラマであろう。
そこで重要になってくるのが、ジャッキー・チェンと対峙する影側のロートルだ。そこにキャスティングされたのが御大レオン・カーフェイであるという座組が、本作をジャッキー・チェン映画としても香港アクション映画としても「特別」なものにしている。
レオン・カーフェイといえば、ジャッキー・チェンが牽引した香港アクション映画の隆盛を彩った“立役者”の一人であり、レジェンドである。
(個人的な映画鑑賞遍歴から挙げると、昔々テレビのロードショーで観た「炎の大捜査線」の“大バッドエンド”が忘れられない。)
鑑賞中はこの悪役がレオン・カーフェイであることに気づかず、ジャッキーに負けず劣らず渋く、滲み出る恐ろしさが印象的な俳優だなと終始感じつつ観終えた。鑑賞後、「レオン・カーフェイ」というクレジットを見て愕然とするとともに、本作が醸し出す重層的な娯楽性の意味が、腑に落ちるように感じた。
エンドクレジットには、ジャッキー映画お約束の“NGシーン”も用意されており、80年代から90年代にかけて彼の映画を堪能してきたものとしては、満足度に拍車がかかった。
そこでも印象的だったのは、もはや香港映画業界の「師」としてのジャッキー・チェンの存在感。
ヒロインのチャン・ツィフォンに対して、アクションシーンの撮影後、相手役のスタントマンに御礼を言うように差し向けたり、盟友レオン・カーフェイと共に若いスタッフたちを盛り上げたりと、その存在の大きさが感じられた。
嬉しいのは、執拗なまでの対決を経て、文字通りズタボロになった光と闇のロートルたちが、二人ともしっかりと“生き残っている”ということだ。
エンディングでは、両者それぞれに意味深なシーンも差し込まれている。老体にムチを打ってもらい、是非とも続編を期待したい。


Information
| タイトル | シャドウズ・エッジ 捕風追影 THE SHADOW’S EDGE |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | 香港・中国 |
| 監督 | ラリー・ヤン |
| 脚本 | ラリー・ヤン |
| 撮影 | チエン・ティエンティエン |
| 出演 | ジャッキー・チェン |
| チャン・ツィフォン | |
| レオン・カーフェイ | |
| ツーシャー | |
| ジュン | |
| ジョウ・ジェンジエ | |
| ワン・ジーイー | |
| ラン・ユェティン | |
| チェイニー・リン | |
| 鑑賞環境 | Web配信(Amazon Prime・字幕) |
| 評価 | 8点 |



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