評価:
9点Story
政府職員のアマンダ・ウォラーは、減刑と引き換えに「スターフィッシュ計画」として知られる秘密の実験を行っているナチス時代の研究所ヨトゥンヘイムを破壊する任務をリック・フラッグ大佐と ロバート・デュボア / ブラッドスポートがそれぞれ率いるベルレーブ刑務所の受刑者たちで構成された2つのタスクフォースXチームに与え、南米の島国コルト・マルテーゼに送るが、フラッグのチームのメンバーであるブラックガードが自らのチームの情報をマルテーゼの軍に流しており、上陸早々待ち伏せ攻撃を受けた結果フラッグのチームは裏切ったブラックガード含め、ウィーゼル、モンガル、TDK、ジャベリン、キャプテンブーメラン、サヴァントと殆どの隊員が死亡。ハーレイ・クインとフラッグはそれぞれ別に捕縛されてしまう。フラッグのチームに攻撃が集中している間に攻撃を受けることなく上陸を果たしたブラッドスポートのチーム、ラットキャッチャー2、ピースメイカー、ポルカドットマン、キングシャークは実は軍とは違う反政府組織に保護されていたフラッグと合流を果たし、反政府組織のメンバーであるソル・ソリア達の協力を得てスターフィッシュ計画の指揮を執っているシンカーの拉致とハーレイの奪還を行うべく、コルト・マルテーゼの街に侵入する。 Wikipediaより
映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』US本予告(フル尺ver.)2021年8月13日(金)全国公開【全編爆笑R15+】愛すべきクソやばい14人の悪党たちが、人類最大の脅威「怪獣」プロジェクトに立ち向かう!「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督が放つ、ユーモア満載&テンション爆上げの痛快サバイバル・アクション!■『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』2021年8月13日(...
Review
「観たかったのは、コレコレー!」
と、中指、イヤイヤ親指を終始立てっぱなしだった。
終始一貫して、ジェームズ・ガンのイカれた映画愛が躊躇なく爆発している。
まずは、過去の不適切ツイートによって映画界の第一線から追放されかかっていた彼を今作の監督として起用してくれたDCに「ありがとう!」と唱えずにはいられなかったし、強引に“この場所”に引き戻した世界中のボンクラ映画ファンの力に改めて感嘆した。
振り返ること5年前、新進気鋭のデヴィッド・エアーが監督を務めた“最初”の「スーサイド・スクワッド」は、極めて勿体ない作品だった。
何をおいても“サイコー”なマーゴット・ロビー演じる“ハーレイ・クイン”というキャラクターを生み出したことについての「価値」は揺るがないけれど、正直なところそれが賞賛でき得る唯一のポイントだったことは否めない。
チープなストーリーの上で薄っぺらい映画世界が展開する何とも期待ハズレでザンネンな映画だった。
登場する全員が「悪役(ヴィラン)」だという、作品にとって最大の特徴を全く活かしきれていなかった映画の仕上がりには、「コレジャナイ感」が充満していた。
そんな前回作品をほぼ無かったことにしてリブートされた今作「ザ・スーサイド・スクワッド」は、登場するキャラクターたちこそ一部続投されているが、そのヴィランたちに相応しい“悪ノリ”が冒頭からフルスロットルで展開され、悪趣味で露悪的な“圧倒的娯楽性”を全面に打ち出し、見事に振り切っている。
リミッターの外れたブラックユーモアとバイオレンスが全開で描かれるプロローグシーン(ザ・捨て駒シーン)が、とにかく容赦なく、一気にジェームズ・ガンの映画世界に引きずり込まれる。
劇場の後方シートで鑑賞していた僕は、ニヤニヤを抑えきれず、居ても立っても居られなくなって、前方の空きシートに移動せずにはいられなかった。
その冒頭シーンを支配していたのは、ガン監督の盟友マイケル・ルーカー。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の“ヨンドゥ”を彷彿とさせる悪役としての風格と物々しさを携えて、作品のファーストシーンから登場しながら、完全なる“噛ませ犬”としてキャラクターを全うする様は、その無様な顛末を通り越してむしろ格好良かった。(そして、「GOG2」に続いて超間接的ではあるがシルベスター・スタローンとの共演に気づくと「クリフハンガー」が観たくなる!)
そして、マーゴット・ロビーは、スピンオフ作品を含めて3回目の“ハーレイ・クイン嬢”を益々狂気的なキュートさで演じてみせる。
今作ではついにジョーカーの“ジョ”の字も発しないけれど、相変わらず惚れやすく、相変わらずブチギレたアクションで敵(男ども)を蹴散らしていく様は、破滅的で、可憐で、べらぼうに悪カワイイ。
その他にも新旧すべてのキャラクターが、あまりにもマンガ的で、馬鹿馬鹿しさに溢れつつも、それぞれユニークさとチャーミングさが振り切れており、愛さずにはいられない。
それは、この映画に登場するすべてのヴィランたちにおいて、ジェームズ・ガンの映画愛と精神が注ぎ込まれ、キャラクターとして造形されているからだと思う。
クライマックスでは、この世界で最も蔑まれ、忌み嫌われている或る存在が、脅威的な“KAIJU”を覆い尽くし、世界を救う。
それは、紛れもなく、この世界の最底辺(ドン底)からの強烈な“ワンスアゲイン”だった。
この世界は、相も変わらずクソッタレで、痛々しくて、愚かしいけれど、それでも時折、たまらなくキュートで美しい。
ジェームズ・ガンは、頭の中の狂気的な“お花畑”で舞い上がる花びらを世界中に振り撒きながら、オンリーワンの映画世界を創造し続ける(切望)。
Information
タイトル | ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 THE SUICIDE SQUAD |
製作年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジェームズ・ガン |
脚本 | ジェームズ・ガン |
撮影 | ヘンリー・ブラハム |
出演 | マーゴット・ロビー |
イドリス・エルバ | |
ジョン・シナ | |
ジョエル・キナマン | |
ヴィオラ・デイヴィス | |
ジェイ・コートニー | |
デヴィッド・ダストマルチャン | |
ダニエラ・メルキオール | |
マイケル・ルーカー | |
声の出演 | シルヴェスター・スタローン |
鑑賞環境 | 映画館(字幕) |
評価 | 9点 |
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画像引用:https://wwws.warnerbros.co.jp/thesuicidesquad/
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