
評価: 4点
Story
宇宙ミッション中の事故で特殊能力を得た4人のヒーロー・チームは、その力と正義感で人々を救い、“ファンタスティック4”と呼ばれている。 世界中で愛され、強い絆で結ばれた彼ら“家族”には、間もなく“新たな命” も加わろうとしていた。 しかし、チームリーダーで天才科学者リードのある行動がきっかけで、惑星を食い尽くす規格外の敵”宇宙神ギャラクタス”の脅威が地球に迫る! 滅亡へのカウントダウンが進む中、一人の人間としての葛藤を抱えながらも、彼らはヒーローとして立ち向かう。 いま、全人類の運命は、この4人に託された──。 Filmarksより
「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」レトロフューチャー風予告編|7月25日(金)日米同時公開!「アベンジャーズ」シリーズなど、マーベルコミックを原作としたスーパーヒーローの活躍を描き、エンターテインメント史を塗り替えつづけてきたマーベル・スタジオの劇場公開最新作。 マーベルヒーローの原点であり、その礎を築いたヒーローチームの活躍を描…more
Review
MCUに対する個人的な“再燃”を期待し、面白さを確信していた「ファンタスティック4」の最新リブート作だったけれど、明確な“不完全燃焼”に終わってしまったことは否めない。
いろいろと問題点や弱点が散見される作品だったが、端的に言ってしまえば、「映画が下手」ということだと思う。
ヴァネッサ・カービーやペドロ・パスカルらが演じる“ファンタスティック4”の面々のキャラクター性や、これまでの同作の映画化作品やMCUの他作品とは一線を画したレトロフューチャーな世界観のルックは、とてもチャーミングで魅力的だった。
その「ああ、なにか新しいものが観られそう」というワクワク感が、本作への期待感を高めた最大の要因だったのだけれど、蓋を開けてみると、そこで展開されたのはあまりにも不完全で稚拙なストーリーテリングと、決して新しくない要素のオンパレード。
映画の冒頭こそ、ファンタスティック4の“特集番組”の体で、彼らの誕生やこれまでの活躍を効率よく描いたシークエンスで高揚したけれど、振り返ってみたならば、素直に娯楽性を堪能できたのはこの冒頭シーンのみだったのではないかと思える。
その後は、お世辞にも利口ではない場当たり的展開と、思わず眉をひそめざるを得ない“トンデモ展開”の連続で、雑念なくエンタテインメントに身を投じることができなかった。
最大の問題点は、チームとしてのコンビネーションの欠如とアクション描写の弱さ、そして、敵がチート級過ぎることだろう。
「ファンタスティック4」のリブート作で、新たな単体作なのだから、まずはこの4人のチーム感と、それに伴うユニークでエキサイティングなアクション描写をもっとふんだんに用意すべきだった。
ディズニー傘下以降の、多様性への目配せを最優先にしたMCUの潮流に乗るのならば、もっとこの4人の個性を最大限際立たせた上で、チームならではの対立と調和をアクション性や娯楽性へと昇華することは、いくらでもできたと思うのだ。
かつて、「ファンタスティック4」から着想を得て生み出されたと思われるピクサー映画「Mr.インクレディブル」をなぜ参考にできなかったのかと、時代を経てMCUがディズニー傘下となっている今だからこそ強く感じた。
そして、「〜ファースト・ステップ」という副題にも関わらず、登場する唯一の敵が、神的な存在で強大過ぎることが、本作の世界観を逆に矮小化してしまっているのだと思う。
シリーズ二作目、三作目ならまだしも、一作目で対峙する外敵があれほどチート級では、正直成すすべ無く、彼らの能力や魅力を活かしきれぬまま、仕方なくトンデモ展開を繰り広げるしかなかったように見える。
一人ひとりの能力や連携プレーを活かす描写をもっと生み出す意味でも、登場するヴィランはもっと小さな存在で良かったのだと思う。
それこそ、本作中にも登場する“モールマン”との戦いを、冒頭の“特集番組”内で留めるのではなく、前半のヴィラン戦としてしっかりと映し出すべきだった。その上で、“スー”との信頼関係構築を描き、クライマックスで再登場させれば、もっと胸熱な展開を演出できたはずだ。
話によると、名優ジョン・マルコヴィッチもヴィランの一人として登場する予定で、撮影済みだったということだから、非常に残念な話である。
おそらくは、諸々の“大人の事情”とMCU本体の“お家事情”が多分に影響して、本来予定されていた数々のヴィラン戦が大幅に縮小されたのであろうことが伺える。
モールマンとの戦い、そしてジョン・マルコヴィッチのMCU参戦がしっかりと果たされていたならば、本作の致命的な弱点の数々は無くなり、満足度は格段に上がっていただろう。(“マルコヴィッチの穴”は殊の外大きかったと言える)
“フェーズ6”のスタート作として期待感が大きかった分、落胆の度合いも大きい。
ポストクレジットシーンでは、いよいよ“彼”の再登場が示唆されたけれど、落胆を補うほどの高揚感は得られなかった。
DCの最新作「スーパーマン」と公開時期が真っ向勝負していることもあり、“勢い”の差を感じざるを得なかった。
もしジェームズ・ガンが本作の監督を担っていたならば、問答無用に「面白い!」と親指を立てさせる映画世界を生み出していたのだろうなと、ついついないものねだりをしてしまう。
Information
| タイトル | ファンタスティック4:ファースト・ステップ THE FANTASTIC4: FIRST STEPS |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | |
| 脚本 | |
| 撮影 | |
| 出演 | |
| 鑑賞環境 | 映画館(字幕) |
| 評価 | 4点 |
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