「狂った野獣」映画レビュー “車内はみんな狂ってる!”

2022☆Brand new Movies

評価: 7点

Story

目の病気で事故を起こし会社をクビになったテストドライバーの速水は、友人の女性ドライバー岩崎美代子と宝石店を襲い宝石の強奪に成功、二人別れて逃亡を謀った。速水は盗んだ宝石をバイオリンケースに隠し、大阪府営バスに乗って身を隠す。しかしそのバスに、銀行強盗に失敗した谷村と桐野が乗り込んできた。警察に追われる二人は、バスをジャックし逃走しようとするのだった。速水は隙を見てバスから逃げ出そうとするが、逆に宝石強盗であることがばれてしまう。 all cinemaより

 

Review

主演の渡瀬恒彦が、スター俳優であるにも関わらず、走行中のバイクからバスに飛び乗り、自ら運転する大型バスをド派手に横転させる、ノースタントで。
世の好事家たちの文献から聞き及んではいたけれど、この時代の渡瀬恒彦は“ヤバい”。その様は時に狂気的にも見え、故に俳優として魅力的だ。

或る深夜、ふいに古めの日本映画が観たくなり、時刻も深かったので上映時間が78分と短かった本作をサクッと鑑賞。
程よい雑多感や、荒々しい風俗描写がそのまま「娯楽」として“激突”してくるような芳しいエンターテイメントだった。

一台の路線バスに偶然乗り合わせた一般人と、悪党と、別の悪党。
それぞれが孕んでいた欲望と焦燥は、暴走するバスと同調するかのように行き場を見失い、破滅へと突き進む。
先に主演俳優の狂気的な破天荒ぶりに言及したが、この映画の登場人物たちは皆々狂っている。いや、結果的にそもそも人間がうちに秘めている狂気を抑えきれなくなったということかもしれない。

主演の渡瀬恒彦のみならず、脇役の俳優たちもみな個性的で印象的。
特に終始“小物感”を撒き散らし、衝撃的な死に様を見せる川谷拓三が見事。

 

Information

タイトル狂った野獣
製作年1976年
製作国日本
監督
中島貞夫
脚本
中島貞夫
大原清秀
関本郁夫
撮影
塚越堅二
出演
渡瀬恒彦
星野じゅん
川谷拓三
片桐竜次
白川浩二郎
橘麻紀
荒木雅子
中川三穂子
志賀勝
松本泰郎
鑑賞環境インターネット(U-NEXT)
評価7点

 

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