評価:
5点Story
表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン”。 国家に属さない秘密結社の最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった…!――1914年。世界大戦を密かに操る闇の狂団に、英国貴族のオックスフォード公と息子コンラッドが立ち向かう。人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間たちと共に闇の狂団を倒し、戦争を止めることができるのか? Filmarksより
※閲覧注意 映画『キングスマン:ファースト・エージェント』ファイナル予告【超過激なクリスマスプレゼント】編12月24日(金)公開表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織世界大戦の裏に隠されたキングスマンの誕生秘話が、ついに明かされる。全世界を熱狂させた超過激スパイ・アクションシリーズ待望の最新作!監督:マシュー・ヴォーン 『キングスマン:ゴールデン・サークル』『キングスマン』 『キック・アス』キャスト:レイフ・ファインズ...
Review
元々、僕はこの人気シリーズとは“相性”が良くないらしく、過去2作とも割と期待感高く劇場鑑賞してきたけれど、いずれも悪ノリの面白さよりも、露悪的な表現によるストーリーの破綻の方に嫌悪感を感じてしまい、全くハマることが出来なかった。
マシュー・ヴォーン監督の出世作、「キック・アス」や「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」は傑作だと思っているだけに、監督の個人趣味に突っ走った本シリーズは、余程自分の趣味に合わないのだろうと思う。
そんな経緯なので、「キングスマン」の“エピソード0”として製作されたこの最新作に対しても、特に期待感は無く、度重なる公開延期に対してもほぼスルー状態だった。
某配信サービスの最新作にリリースされたので取り合えず鑑賞してみたが、率直な感想としては、可もなく不可もなくといったところか。
過去2作に比べると、悪趣味な暴走ぶりは鳴りを潜めており、“見やすい”娯楽映画だとは思う。ただし、その代わりに特筆すべきエンターテイメント性が無いことも事実だろう。
特に物足りなかったのは、前作までの(個人的には)唯一にして最大のハイライトだったギミックの娯楽性がほぼ皆無だったことだ。
時代設定が第一次世界大戦前夜であるから、ハイテク機能を隠し持ったギミック満載のスパイ・ガジェットの登場は無理だったろうけれど、前二作に登場したガジェットの「原型」となった“秘密道具”くらいは駆使してほしかった。
ストーリーテリングや、登場人物の言動においても、説得力に欠ける点が多く、どうにも映画世界に入り込むことができなかった。
レイフ・ファインズ演じる主人公は、無論“THE紳士”なたたずまいでソレっぽいけれど、実際のところ彼の行動は行き当たりばったりなことが多く、決して理知的でもなければ、紳士的でもなかった。
挙句、何よりも大切な家族や友人たちをことごとく失くしてしまうわけだから、やはりヒーローとしての魅力や説得力に欠けてしまっていることは否めない。
やはりマシュー・ヴォーン監督においては、むしろ制約の多いハリウッド大作の中で、しがらみに雁字搦めになりながら、それでもギリギリの範囲で“悪趣味”を爆発させるくらいの方が、彼のセンスが際立つのではないか。
彼の出世作がいずれもアメコミ作品であることは言わずもがなだし、同じくアクの強い映画監督であるジェームズ・ガン監督が、MCUやDCのアメコミヒーロー映画で傑作を連発していることからも、進むべき道は明らかだと思うけれど。
Information
タイトル | キングスマン:ファースト・エージェント THE KING’S MAN |
製作年 | 2021年 |
製作国 | イギリス/アメリカ |
監督 | マシュー・ヴォーン |
脚本 | マシュー・ヴォーン |
カール・ガイダシェク | |
撮影 | ベン・デイヴィス |
出演 | レイフ・ファインズ |
ジェマ・アータートン | |
リス・エヴァンス | |
マシュー・グード | |
トム・ホランダー | |
ハリス・ディキンソン | |
ダニエル・ブリュール | |
ジャイモン・フンスー | |
チャールズ・ダンス | |
鑑賞環境 | インターネット(U-NEXT・字幕) |
評価 | 5点 |
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