おヒサシネマ!「007 スカイフォール」 “圧倒的表現美による007の完成形”

スカイフォール 久々鑑賞☆おヒサシネマ!

スカイフォール

評価: 9点

Story

トルコ イスタンブール。MI6(英国情報局秘密情報部)のエージェント007ジェームズ・ボンドは、各地で潜入捜査をしているNATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブを強奪した敵を追跡し、その組織をあと少しのところまで追い詰める。しかし、あと一歩まで迫ったところで、先に潜入していた同僚エージェント ロンソンが傷を負ってしまう。そんな中、上司のMは非情にも敵の追跡を最優先にするよう指令を下す。後から駆け付けたアシスタントエージェント イヴと共に、敵を追跡するボンドだったが……。 Amazonより

2012/12/1公開『007 スカイフォール』オンライン予告
シリーズ50周年記念作品 『007 スカイフォール』ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド最新作がこの冬スクリーンに帰ってくる!12月1日(土)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー!skyfall(C)2012 Danjaq,…more

 

Review

このダニエル・クレイグ版007の第三弾「スカイフォール」の監督が、サム・メンデスだったことは、結果的に「007」という映画シリーズ全体にとって極めて重要なトピックとなったと思う。
それくらいこの映画作品の完成度は高く、007映画としても、アクション映画としても、それらをひっくるめたエンターテイメント映画としても、価値の大きい作品と言えよう。

全編通して秀麗に映し出される映像世界は、思わずため息が漏れるくらいに美しい。
それは単なる「映像美」ということに留まらず、「007」という映画世界の文脈と、その映画世界の中で躍動するジェームズ・ボンドという一人の男の人格と人生をも投影するような「造形美」に溢れている。
それは、「表現美」とでも呼称すべき、クリエイティブの頂点だと言っても過言ではなかった。

今作のストーリー的な構図は、“古い正義”と“新しい悪”との対立であり、それぞれを象徴する二人の男が、己の存在証明をかけて死闘を繰り広げる。
そしてその対立構図は、舞台となる世界各国のシーンにおける空間設計やデザインにも如実に表れている。
サイバー色のネオンサインに彩られた上海を皮切りに、絢爛豪華なマカオのカジノ、荒廃した長崎の軍艦島、まるで世界の果てのような荒涼としたスコットランドの湿原に至るまで、めくるめくすべての舞台造形が、登場人物たちの心象風景のようでもあり、この世界そのものの虚栄と儚さを伝えていたと思う。

時代の激しい流れの中で007は、スパイとしての存在意義自体に疑問を呈され、糾弾され、世界の底へと沈み込む。
愛する人を失い、生家も失い、母なる存在をも失って、それでも彼は最後に一人孤独に立ち上がる。
それは、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドが、「007」として完成した瞬間だった。

 

Information

タイトル 007 スカイフォール SKYFALL
製作年 2012年
製作国 イギリス・アメリカ
監督
サム・メンデス
脚本
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジョン・ローガン
撮影
ロジャー・ディーキンス
出演
ダニエル・クレイグ
ハビエル・バルデム
レイフ・ファインズ
ナオミ・ハリス
ベレニス・マルロー
アルバート・フィニー
ベン・ウィショー
ジュディ・デンチ
ロリー・キニア
オーラ・ラパス
鑑賞環境 インターネット(Amazon Prime Video・字幕)
評価 9点

 

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