評価:
7点Story
アンドロイドのデイジーがタルボットに発砲し、シールドのメンバーは追われることに。新シーズンでは、何者かに捕らえられたコールソンらが、宇宙ステーションのような所で目を覚ます。なぜかフィッツ一人だけは残された。なんと 6人が連れて来られたのは未来の宇宙で、クリー人が人間たちを監視していた。彼らは何のためにそこへ送られたのかー!? Filmarksより
「エージェント・オブ・シールド シーズン5」 予告編マーベルが贈る『アベンジャーズ』のスピンオフ、新シーズン登場!クリー人に支配された、未来の宇宙…人類に希望はあるのか。2019年7月3日(水) ・ブルーレイ COMPLETE BOX・DVD Part1 発売・全話一挙デジタル配信開始201…more
Review
“シーズン5”の世界観は、良い意味でも悪い意味でも「混濁」している。
シーズン冒頭からシールドの面々が謎の集団に拉致られたかと思えば、舞台は「宇宙」を超えて、「未来」へという奇想天外な仰天展開。
しかも、地球は殆ど粉々に崩壊していて、僅かに残された地表の施設で、凶暴な異星人(クリー人)に支配されているという始末。
まさしく絶望的なディストピアの世界になんの説明もなく放り込まれたエージェントたちだったが、着実に苛烈さが増していった4シーズンを経て経験値が振り切れている彼らは、絶望感もそこそこに恐れ知らずのサバイバルを繰り広げる。
一視聴者として、このシーズン5に至るまで殆ど“一気観”をしてきた僕自身も、突如としてスタートしたスペースオペラの世界に驚くほどすんなりと順応し、そのSFエンターテイメントを堪能することができた。
未来の砕けた地球を支配するクリー人を撃退し、何とか現代の地球に戻ることができたシールドのエージェントたちだったが、このあたりから、ストーリーテリングがやや鈍重になってしまったことは否めない。
絶望的な未来を目の当たりにし、恐怖と焦燥に駆られるあまり、登場人物たちはみな疑心暗鬼になり、延々と擦れ違いと衝突を繰り返す。
当然のことながら、そうなってしまうと、シールドのチーム感やそれに伴う高揚感など生まれるはずもなく、物語は進んでいっているものの、ヤキモキした気持ちを終始抱え続けなければならなかった。
そしてストーリー展開、敵対する悪役の立ち位置の微妙さや、最終的にヴィランとなってしまうキャラクターの憐れさも手伝って、余計に滅入る方向へと突き進んでいく。
結局、最終回ならではの大きなカタルシスを得られぬまま、シーズンは結末を迎える。
正直、「え、これで終わりなのか」と意気消沈してしまったことは否定しない。
しかし、それと当時に、今シーズンが描き出した最大の要素の重要性も否定できない。
それは即ちこの世界観の中に、「多元宇宙」が存在することの明示であり、“MCU”における“マルチバース”の入り口に我々観客が立ったことに他ならない。
哀しきヴィランの暴走により粉々に砕けた地球の未来も現実。そのヴィランを宇宙の彼方に吹き飛ばし新しいタイムラインを生み出したことも現実。
図らずも、複数の次元を行き来し、死闘を繰り広げたシールドのエージェントたちが、今後MCUの本流で展開されるのであろう“マルチバース”の指針となるのは明らかであろう。
そういう部分に着目すると、今後もMCUを追わざるを得ないファンにとって、今シーズンの重要性は揺るがない。
予言者の少女ロビンの「何かが違う」という一言。脇役エージェントのデイビスの謎の前フリ。やけに清々しく最期の一時を過ごすために“タヒチ”に降り立ったコールソン。
そして、突如として死亡してしまったフィッツは、よく考えれば他の主要キャラクターたちとは“別のタイムライン”の人間になってしまっていたのではないかという考察、というか気づき。
混濁の末に、非常にモヤモヤしたシーズン最終回だったが、SFファンとして、MCUファンとして、相反するように次シーズンへの期待感は高まる。
が、しかし、この直後にサノスの“指パッチン”なんだよなあ……。
Information
タイトル | エージェント・オブ・シールド Marvel’s Agents of S.H.I.E.L.D.SEASON 5 |
製作年(放映期間) | 2018年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | |
脚本 | |
撮影 | |
出演 | クラーク・グレッグ |
ミンナ・ウェン
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クロエ・ベネット | |
イアン・デ・カーステッカー | |
エリザベス・ヘンストリッジ | |
ヘンリー・シモンズ | |
ナタリア・コルドバ=バックリー | |
ジェフ・ウォード | |
鑑賞環境 | インターネット(Disny+・字幕) |
評価 | 7点 |
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