
評価: 9点
Story
絶対生存不可能な、最悪の地<バッドランド>。そこに追放されたのは、掟を破った若きプレデター。 より凶悪な獲物を狩るべく激闘を続けるが、その旅路で待ち受けていたのは、思いがけない“協力者”となる謎の少女と、プレデター史上最凶の“敵”だった――。 Filmarksより
『プレデター:バッドランド』新予告|目指せ、真のプレデター|11月7日(金)世界同時公開!シリーズ初、プレデターが主人公の完全なる新章。誇り高き戦闘一族から追放され、宇宙一危険な「最悪の地(バッドランド)」に辿り着いた若き戦士・デク。次々と敵に襲われる彼の前に現れたのは、上半身しかないアンドロイド・ティア。「狩り」に協力すると陽…more
Review
1981年生まれの映画ファンとしては、「プレデター」といえば、1987年公開の第一作及び、1990年公開の続編「プレデター2」の印象が根強い。
両作とも、地上波の“日曜洋画劇場”や“ゴールデン洋画劇場”で頻繁に放映されていた記憶があるけれど、実際はそう何度も繰り返し放映されていたわけではないと思うので、それほど子ども心に印象が強かったということだろう。
特にアーノルド・シュワルツェネッガーが主演した第一作においては、“プレデター”と呼称される地球外生命体は、人類を脅かすモンスター的なポジションであったけれど、派生作品も含めたシリーズの変遷に伴い、“プレデター”というキャラクターがより深く描き込まれ、立体化していった映画史的経緯が興味深い。
40年近くに渡って、様々なアプローチやジャンルによるシリーズ作が製作されたのは、ひとえに“プレデター”というキャラクターに内包されていた独自性や、異形の者としての性質が、多層的で魅力的であったことに他ならない。
そうしてまた新たに製作されたこの最新作は、これまでのジャンル映画の王道を踏襲しながらも、新時代に向けた最高の娯楽作品として結実している。
過去のシリーズ作をすべて観ているわけではないので、定かではないけれど、本作ほど“プレデター”のキャラクターとしての人物像を描きこみ、明確な主人公として立ち回る作品は初めてではないだろうか。
まず本作の設定として描き出される“ヤウージャ族”という出自と種族の性質・文化の描写がフレッシュで興味を引く。
“弱き者”は、それがたとえ実子であろうとも容赦なく排除するという、この種族の非道な徹底さが、これまでのシリーズ作に登場した“プレデター”たちともリンクし、過去作も含めた彼らの狂気性や凶暴性への理解が深まったように感じた。
主人公“デク”のキャラクター性もユニークだ。一族の中では身体が小さく非力な、いわゆる“落ちこぼれ”として描き出される。
そんな彼が、絶望的な狂気の星において、逆襲と復讐のために立ち上がるというストーリーテリングは、あまりにも王道なワンスアゲインものであるけれど、シンプルに熱かった。
そして、本作を最高のエンターテイメント作品に引き上げているのは、言うまでもなくエル・ファニング演じるもう一人の主人公・アンドロイド“ティア”の、アイコニックなキャラクターの創造に尽きる。
下半身が無い状態で登場し、軽妙な言動を繰り返しつつ、デクとビジュアル通りの“タッグ”を組んで、逆襲のサバイバルを繰り広げていく様は、映画的な娯楽性に満ち溢れている。
狂気の惑星に孤独に生存競争をするしか無かった両者が奇跡的な邂逅を果たし、相反しつつも、互いのウィークポイントを補いながら共闘するシークエンスは、“タッグもの”の定石でありつつも、異なる者同士の理解と融和という、現代的なテーマも孕んでいたのではないかと思える。
エル・ファニングは、ティアの元相方で同型アンドロイド“テッサ”も演じ、主人公の一人とラスボスの両者を演じる大車輪ぶりを見せる。
個人的に子役時代から彼女のファンであり、長年そのキャリアを追っているけれど、本作のティア&テッサのキャラクター性に見事にマッチしていたと思う。
これまではドラマ性の高いインディペンデント系の映画への出演が多かったけれど、このジャンル映画の出演とマッチングの成功により、さらにキャリアの幅を広げてみせたと思う。
その他にも、デクが己の恵まれない体躯と非力を補うために、サバイバルの中で出会った多様な凶暴生物との共闘や独自のアイデアを駆使して、戦い、他者を守る“ウルフ”へと成長していく展開も、ケレン味に溢れる胸熱展開だったと思う。
逆襲と復讐を果たすクライマックスの怒涛の展開には、語彙を忘れ「サイコー!」とサムズアップするしかなかった。
“ティア”という新たなアイコンと共に、プレデターの世界観はより一層広がる。
「母上」が登場するさらなる続編の製作も大いに期待。
Information
| タイトル | プレデター:バッドランド PREDATOR: BADLANDS |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | ダン・トラクテンバーグ |
| 脚本 | パトリック・アイソン |
| ブライアン・ダッフィールド | |
| 撮影 | ジェフ・カッター |
| 出演 | エル・ファニング |
| ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ | |
| 鑑賞環境 | インターネット(Disney+・字幕) |
| 評価 | 9点 |


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