
評価: 6点
Story
銭形警部はロビエト連邦の空港で爆破テロに遭遇し、犯人の顔がルパン三世だったことに驚く。 すぐに見失うが駅で別の“ルパン”を発見し列車内でルパンを拘束するも、次元大介の助けで脱走を許してしまう。 一方、峰不二子はサーカス団に潜入し、空中ブランコの乗り手として最高指導者ブレーリンの寵愛を受けていた。 軍縮条約パレードを目前に控え、国家保安委員会のカラシコフはルパンをテロ実行犯かつアルカ合衆国のスパイと断定し追跡するが、銭形は疑念を抱いていた。 そして、首都で国家保安委員会に追い詰められたルパンの前に立ちはだかったのは、彼の無実を信じる銭形だった――。 だが、その瞬間、新たな爆破が銭形を襲う……。 Filmarksより
Review
1978年のシリーズ屈指の傑作「ルパン三世 ルパンVS複製人間」は、主人公ルパン三世が処刑されるという衝撃のシーンから始まる。
本作「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」のストーリーは、まさにその劇場版第一作の冒頭シーンに着想を得たストーリーテリングであり、ついに小池健監督が牽引してきたこの「LUPIN THE IIIRD」シリーズが、“複製人間”の前日譚に辿り着いたことに、素直に高揚感を覚えた。
当シリーズの前段的な文脈に位置するTVアニメ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」に大衝撃を受け、その後シリーズ一作目となる「次元大介の墓標」から粘り強く本シリーズを追ってきた。
「次元大介の墓標」は、キャラクター特有の“ハードボイルド”を全面に打ち出した傑作だったけれど、その後の「血煙の石川五ェ門」、そして「峰不二子の嘘」と続くシリーズ作は、良い部分も確実にあったけれど、作品としてはどこか味わい足りない印象を拭えなかった。
モンキー・パンチによる原作世界の淫靡でキケンな空気感を表現しようという原点回帰のコンセプトは、しっかりと保たれているのだけれど、資金面も含めて、製作環境がなかなか整っていないであろうことが、作品クオリティから推察できた。
各作品の製作スパンがまちまちで、シリーズ進行が遅々としていることからも、その舞台裏の製作の「難航」は見え隠れしている。
本作自体のストーリーテリングとしては、やはり完結編になるであろう、次作に対する前日譚としての色合いが強く、“主人公”であるはずの銭形警部の、ストーリー上の位置づけが弱かったことは否めない。
一人ひとりのキャラクターにフォーカスした過去3作のように、もう少し銭形警部、もとい“銭形幸一”という男の人間性を深掘りするストーリーを観たかった思いは強い。
なぜ彼が、世界を股にかけてルパン三世を追い続けるのか、正義を執行する警察官としての人間模様を垣間見たかった。
とはいえ、一方では銭形警部特有のダンディズムや、人間離れした“執念”も表現されており、過去2作と比較すると、格段に味わい深い作品には仕上がっている。
シリーズファンとしては、「次元大介の墓標」のポストクレジットシーン時点で示唆されていたあの怪人、すなわち“マモー”に、果たして辿り着くことができるのか──と、劇中の展開以上に、現実的な実現性に対して長年危惧してきた。
そして、2014年の「次元大介の墓標」から足掛け10年以上を経て、ついに“ルパン一行”は稀代のヴィランの元へと向かう。
「ルパン三世 ルパンVS複製人間」のハードルは極めて高いけれど、当スピンオフシリーズの終着点として、大いに期待している。



Information
| タイトル | LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | 日本 |
| 監督 | 小池健 |
| 脚本 | 高橋悠也 |
| 作画監督 | 小池健 |
| 声の出演 | 栗田貫一 |
| 大塚明夫 | |
| 浪川大輔 | |
| 沢城みゆき | |
| 山寺宏一 | |
| 堀内賢雄 | |
| 壌晴彦 | |
| 北西純子 | |
| 山野井仁 | |
| 綱島郷太郎 | |
| 鑑賞環境 | インターネット(Amazon Prime) |
| 評価 | 6点 |
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