おヒサシネマ!「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」“創造主のあまりにも高い先見性と英断”

スバラシネマReview

評価:  9点

Story

ルーク・スカイウォーカーの銀河を巡る冒険がはじまる「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」デジタルで登場。銀河帝国樹立から19年。砂漠の惑星タトゥイーンでルークは、長年隠れ住んでいたオビ=ワン・ケノービと出会い反乱軍の戦いに加わることを決意する。ダース・ベイダー率いる邪悪な帝国軍に捕らわれたレイア姫を救出するため、オビ=ワンは若きルークをジェダイへ導いていく。 Filmarksより

 

Review

本作の革新性はそれこそ星の数ほども存在するのであろうけれど、「A long time ago in a galaxy far far away….(遠い昔、遥か彼方の銀河系で…)」から始まるあまりにも有名なオープニングクレジットからそれは示されている。
ジョン・ウィリアムズによる壮大な劇伴が「STAR WARS」のタイトルロゴに合わせて響きはじめ、それに続く「Episode IV」というクレジット。
1977年の初公開時は、さすがにこのクレジット自体は表示されていなかったみたいだけれど、私財を投げ売って本作の製作に人生をかけたジョージ・ルーカスは、ものすごく挑戦的なアプローチをしたものだといつも思う。

ジョージ・ルーカスは、本作が秘める物語の発展性に対して、確固たる確信があったのだろう。
この「エピソード4」単体のストーリーを顧みたならば、それは王道的な主人公の誕生譚に過ぎず、ありとあらゆるエンターテイメントが飽和状態になった今現在の映画史においては、決して目新しいものではない。
それでも、本作は何度観ても、いや鑑賞回数を重ねるほどに、その味わいと面白みが深まる印象すらある。

個人的なSW遍歴を振り返ってみても、自分が中高生時分に劇場公開された「特別編」を初めて鑑賞したときは、正直言って本作を楽しみきれなかった記憶がある。
自分自身の映画遍歴が浅かったことが最たる原因だと思うが、描き出されるストーリーテリングが類型的に見えてしまい、「“伝説”と言われるSWってこんなものか」と少し落胆した。
ただそれは、私自身の成長過程も含めて、鑑賞するタイミングが悪かったのだろうと、今となっては思う。
もっと早い時期に観ていたならば、もっと単純にルークたちのアドベンチャーを楽しめただろうし、もう少し映画遍歴を重ねた上で観ていたならば、もっとこの稀代のスペースオペラの映画史的な価値を感じつつ、作品世界に没頭できただろう。

それを証明するかのように、1999年から公開された新三部作の鑑賞を経ると、本作をはじめとする旧三部作に対する印象は一変した。
本作「エピソード4」が、広大な銀河を舞台にした壮大な「悲劇」の上で展開される“新たなる章”であることを、改めて正しく理解し、展開される人間模様への感慨が深まった。

そして、やはりジョージ・ルーカスの先見性は優れていたと感じる。
「エピソード1」から物語を綴っていたほうが、そりゃあストーリーテリング的には順当だっただろう。
ただし、“選ばれし者”の悲しき闇落ちを描く新三部作をいきなり見せられても、きっと当時の映画ファンたちは受け入れきれなかっただろうし、映画企画自体が頓挫していたであろうことは容易に想像できる。

新たなる希望と銘打って、若き英雄の成長譚を描き出すと共に、映画史そのものに君臨する稀代の悪役を同時に描き出せたからこそ、「スター・ウォーズ」もとい「エピソード4」は、世界中の映画ファンに受け入れられ、果てしない熱狂を生んだのだ。

 

Information

タイトル スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 Star Wars Episode IV: A New Hope
製作年 1977年(特別編:1997年)
製作国 アメリカ
監督
脚本
撮影
出演
声の出演
鑑賞環境 インターネット(Disney+・字幕)
評価 9点

 

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