深夜2時。読みかけの小説を読み終える。
小説がラストのくだりに入ると、途中で切って、残りは明日というわけにはいかなくなる。
角田光代の「八日目の蝉」という小説を読んだ。
この人の作品を読むのは初めてだったが、淡々とした文体であるにも関わらず、心に染み入るような情感溢れる世界観が新鮮且つ安定していて、物語に入り込みやすかった。
子供を産むことができなかった「母親」と、母親の存在そのものを曖昧なままに育った「娘」。
辛辣で、悲劇的なストーリーの中に一瞬垣間見える光と、未来への解放感に、様々なことに対して「それでいいんだ」という“許し”が含まれていて、とても救われた気分になった。
少し前から、個人的に思っていたのだけれど、改めて小豆島に行きたくなった。
八日目の蝉 (2007/03) 角田 光代 |
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