「オーシャンズ8」映画レビュー “気高き女たちはキャッキャッとすべてを盗み出す”

オーシャンズ8 2020☆Brand new Movies

オーシャンズ8

評価: 7点

Story

史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹、デビーは5年8ヶ月の服役の末に刑務所から出所。出所時の面接にて「二度と犯罪はしない。普通の生活を送りたい」と語ったデビーだが、出所後次々と服飾品を盗み出してゆく。デビーは刑務所にいた5年8ヶ月と12日の間に、ニューヨーク市メトロポリタン美術館でのファッションの祭典、メットガラで高級な宝石を一挙に盗み出すという壮大な計画を立てていた。この計画を実行に移すべく、デビーは次々と仲間を集めていくが、真の目的は単に宝石を盗み出すことだけではなかった。 Wikipediaより

映画『オーシャンズ8』本予告【HD】8月10日(金)公開
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Review

休日の真っ昼間から赤ワイン片手に、豪華絢爛な大女優だらけの泥棒映画を観る至福。

110分の間、その「至福」を堪能出来ただけで、個人的には娯楽映画としての価値は揺るがないし、実際のところ存分に楽しめた。

スティーヴン・ソダーバーグ監督が手掛けた「オーシャンズ11」がもう20年近く前の作品であることにはショックを受けざるを得ないが、再び映し出された「娯楽」は、良くも悪くも「オーシャンズ11」の映画世界そのもので、その“感覚”がもはや懐かしくもあった。

「豪華キャストを揃えただけの映画」

とは、2001年の「オーシャンズ11」公開当時から、この映画シリーズを通じて、最も多く発された否定的な感想だろう。

そして、それは概ね間違いない意見だ。

ただし、僕はそれこそがこの映画シリーズの最大の娯楽要素であると思うし、その“キャスティング”の凄さをちゃんと堪能することが、こういう映画の正しい観方であろうと、20年前から思っていた。

そしてこの最新作は、監督はスティーヴン・ソダーバーグではないし、ジョージ・クルーニーもブラッド・ピットもマット・デイモンも出演していないけれど、れっきとした“オールスター映画”である。
冒頭でも述べた通り、まさに世界屈指の宝石のように美しい大女優たちの競演を観られるだけで、只々“楽しい”。

サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイのアカデミー賞ウィナーの三者を筆頭に、彼女たちに劣らぬ大女優の一人であるヘレナ・ボナム=カーター、トップシンガーのリアーナらを揃えた「8」の顔ぶれは、「11」に劣らぬ豪華さであり、文字通り華々しい。

だがしかし、いくら彼女たちがハリウッドを代表するスーパースターであっても、女優のみが主演のエンターテイメント大作を映画企画として成立させるには、まだまだ足かせや困難が付き纏うのが、虚しく悲しい現実である。
エンターテイメントの世界に生きる世界中の名女優、大女優たちが声高に「待遇」と「機会」の改善を訴えるようになって久しいが、それでも、この世界の“男”と“女”は、まだまだ「平等」には程遠い。

そういう意味でも、人気シリーズの新たな続編として、キャスティングの根本から刷新した本作の試みとその成果は、非常に価値があるものだと思う。

サンドラ・ブロックやケイト・ブランシェットが、撮影の合間に気軽に電話をすれば、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットはたとえノーギャラでも喜んでゲスト出演しただろうけれど、それをせずに、女性だけで“キャッキャッ”と「勝利」する映画として貫き通したことが、彼女たちの「矜持」だったのだろう。(「女友達が欲しかった」という大女優役の大女優のセリフがすべてだ)

見事に盗み出した世界一の宝石を身に着けて、颯爽と現場を後にする彼女たちそれぞれの表情には、映画世界のキャラクター設定を超えた「女性」としての“気品”と“プライド”が満ち溢れていたように見えた。

 

とはいえ、しつこいくらいに「死亡」したことが語られるダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)が絶対に死んでいないことは明らかであり、それならば、ラストシーンの一瞬でもいいから存在を垣間見せてほしかったなあ、というのが映画ファンの正直な感想ではあるけれどね。

 

「オーシャンズ13」
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「オーシャンズ12」
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Information

タイトル オーシャンズ8 OCEAN’S 8
製作年 2018年
製作国 アメリカ
監督 ゲイリー・ロス
脚本 ゲイリー・ロス
オリヴィア・ミルチ
撮影 アイジル・ブリルド
出演 サンドラ・ブロック
ケイト・ブランシェット
アン・ハサウェイ
ミンディ・カリング
サラ・ポールソン
アウクワフィナ
リアーナ
ヘレナ・ボナム・カーター
鑑賞環境 インターネット(NETFLIX・字幕)
評価 7点

 

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画像引用:https://www.metrotimes.com/

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