「ビーキーパー」“現実世界のフラストレーションを打破する「養蜂家」の痛快”

2025☆Brand new Movies

評価:  7点

Story

敵は地上最悪の存在――弱者から金をだまし取る組織的詐欺集団。その詐欺集団に全財産をだまし取られた恩人の 復讐のため、そして世界の秩序を守るため、怒りの炎を燃やす“ビーキーパー(養蜂家)”。リミッター全面解除の無敵ヒーロ ーが、容赦なく死の果てまで追いかける…!! Filmarksより

2025年1月3日(金)公開 『ビーキーパー』|本予告
全世界NO.1メガヒット!!!!!死の果てまで追いかける痛快リベンジアクション2025年1月3日(金)全国公開【STORY】敵は地上最悪の存在――弱者から金をだまし取る組織的詐欺集団。その詐欺集団に全財産をだまし取られた恩人の復讐のため、そ…more

 

Review

横行する振込詐欺グループの“巣窟”を、殺人マシーン、いや“養蜂家”のジェイソン・ステイサムが急襲する。
荒唐無稽なキャラクター設定による、ニヤニヤが止まらないアクション展開は、あまりにも非現実的だけれど、それを確固たるエンターテインメントとしてまかり通すのがステイサム映画というもの。
常軌を逸したストーリーではあるものの、現代社会の「悪事」も、これまでの常識を逸脱したものばかりの現実に、もはやこんな“養蜂家”の暗躍を本気で期待してしまうことも否めない。

“舐めてた相手が殺人マシーンだった”系のアクション映画が、れっきとした人気ジャンルとなって久しいが、その分類似作が飽和状態になっていることも事実。
ただ本作は、“ジェイソン・ステイサム”という圧倒的個性によって、類似作でありながらも独創性を備えた娯楽映画に仕上がっていたと思う。

まず何よりも、主人公が養蜂家を現在の生業としている設定がユニークだ。決してただのカモフラージュではなく、真剣に信念をもって蜂蜜づくりに勤しんでいることが、少ない描写の中でもしっかりと伝わってくる。
その一方で、映画冒頭では“害虫”であるスズメバチの巣を容赦なく「駆除」する様も映し出され、そのシークエンスが本作の本幹のストーリー展開を示唆している点も、上手い映画づくりだったと思える。
新たなダークヒーロー像を“養蜂家”と称して、全世界的に蔓延る“害虫”たちの「駆除」を秘めた役割として課すストーリーテリングは、シンプルに痛快だった。

オープニングクレジットで初めて本作の監督がデヴィッド・エアーだと知り、この手のジャンル映画の監督としては意外だったけれど、随所にその手練れぶりが見て取れた。
個人的には、「スーサイド・スクワッド」での“失敗”以降、干されていた印象もあったけれど、実力のある映画監督であることは確かなので、また精力的に映画製作に臨んでほしい。本作はその再起爆剤となり得る作品だったと思う。

「ジョン・ウィック」よろしく、現実世界のリアリティラインを踏み越えた諸々の設定は、もちろん今後のシリーズ展開も期待させる。
さらに個性的で破茶滅茶な“養蜂家”たちとの共闘・決闘を楽しみにしている。

90年代に隆盛を極めた“アクション俳優”という呼称は、もはや「死語」に等しいけれど、その数少ない生き残りであり、次世代への継承者であるジェイソン・ステイサムの真骨頂というべき快作だった。

 

「ジョン・ウィック:コンセクエンス」“主人公と主演俳優のエキサイティングを超えた異常性”
どんなに馬鹿馬鹿しい描写であろうと、それを“アリ”にしてしまう孤高の娯楽力。それこそが、「ジョン・ウィック」という映画化世界が達した世界観であり、五十路を越えて己の“アクション映画馬鹿”の精神を貫き通したハリウッドスターの矜持であろう。

 

Information

タイトル ビーキーパー THE BEEKEEPER
製作年 2024年
製作国 アメリカ/イギリス
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境 インターネット(Amazon Prime・字幕)
評価 7点

 

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