「MEG ザ・モンスターズ2」“2種類のモンスターが噛み合う正しいアップデート”

2025☆Brand new Movies

評価:  7点

Story

地球上で最も深いといわれる「マリアナ海溝」。 そこは太陽の光が全く届かない、暗闇の世界——。 研究チ ームと潜水レスキューのプロであるジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、“人類未踏の地”である約 10 キロ の深海へと向かう。 そこで謎の生命反応を探知した彼らは、触れてはいけない“恐怖”を目覚めさせてしまうのだった …。 待ち受けていたのは、見たこともない大きさと獰猛さで、生態系の頂点に君臨する最恐の巨大ザメ“MEG”の群れと、さらなる巨大生物たち——! 深海からビーチまで襲い来る絶体絶命の危機に、彼らはどう立ち向かうのか!? Filmarksより

映画『MEG ザ・モンスターズ2』30秒予告(深海から会いに来る編)2023年8月25日(金)公開
“海洋パニック映画史上最高記録”のエンターテイメント最新作!この夏、映画館で<絶叫を楽しめ>!実在した最恐の超巨大ザメMEG<メグ>。バス2台分の巨体が群れをなし、さらなる巨大生物までも——ビーチに迫る脅威に人類はどう立ち向かう!? 主演に…more

 

Review

鑑賞から一週間以上経ってしまい、本作における細かいストーリーテリングについての記憶は薄れ始めている。ストーリー性の薄い、雑多な映画であることはまず断言したい。
しかし、だからと言って、本作に対して低評価のレッテルを貼るつもりは毛頭ない。なぜなら、どれだけ大雑把で馬鹿馬鹿しい映画であったとしても、本作がモンスター映画として、サメ映画として、そしてジェイソン・ステイサム映画として、真っ当に面白い映画であったことは間違いないからだ。

個人的に、昔からB級モンスター映画が大好きで、数多の同ジャンル映画を観てきた。
名作「トレマーズ」を筆頭に、「ザ・グリード」、「アナコンダ」、「ピラニア3D」など、伝説的なB級モンスター映画は数多い。
そして、その中でも最も人気の題材であり、それだけで一つのジャンルとして派生しているのが、“サメ映画”の系譜だろう。
1975年、スティーヴン・スピルバーグ監督の「JAWS/ジョーズ」以来、“サメ映画”はモンスター映画の代名詞となり、A級からZ級までおびただしい数の作品が生み出され続けている。
「JAWS/ジョーズ」は映画史的な価値が高い純粋な大傑作なので、サメ映画界におけるB級モンスター映画の筆頭はやはりレニー・ハーリン監督の「ディープ・ブルー」だろう。人類の叡智(?)が生み出した超巨大で知能の高いモンスター鮫と人間たちの攻防を描いたその設定とストーリーテリングは、B級モンスター映画史の一つの金字塔と言える。

そして、本作は、そのB級モンスター映画史、サメ映画史の連綿たる系譜にしっかりと降り立つ、大仰で馬鹿馬鹿しい“見事”な作品だった。
無論、前作の段階でもその映画史的な文脈はしっかりと受け継がれた作品ではあったけれど、作品内のテイストがもう一つアンバランスで踏み込めていない要素があり、手放しで興奮できなかった。
しかし、続編である本作は、前作のマイナス要素を完全に呑み込み、融合させ、オリジナリティへと昇華させてみせている。
すなわちその要素とは、本作の主演が“ジェイソン・ステイサム”であるということだ。“サメ映画”でありながら、同時に“ジェイソン・ステイサム映画”でもあることが、前作時点ではもう一歩うまく馴染んでいない印象があったが、本作においてはその2つが文字通り噛み合い、B級モンスター映画としての魅力が爆上がりしている。

普通、サメ映画の場合、絶対的弱者である人間たちがモンスターであるサメからどのように生き延び、もしくはどのように死んでいくかということを固唾をのんで見守るものだ。しかし、本作の場合はその様相が逆転する。
人間に襲いかかるモンスター鮫が、同様にモンスターであるジェイソン・ステイサムによってどのように撃退され、滅殺されるかをニヤニヤしながら堪能する映画となっている。
それは、モンスター映画としては反則的展開であるけれど、ジェイソン・ステイサムだからこそ許されるストーリーテリングだろう。

そんな反則的主人公を主軸においた登場人物たちのキャラクターも良い。
中国資本の映画なので、前作から中国人キャラが多い作品だが、本作では主人公らが所属する企業の社長キャラが印象的だった。早々に死亡フラグが立てられた惨殺要員かと思いきや、本人の台詞通りにしぶとく生き残り、最終的には主人公顔負けのヒーロー像を半ば強引に仕上げていく様がユニークだった。
また、90年代のハリウッド映画で育った者としては、前作に引き続きキャスティングされ、存在感を放つクリフ・カーティスの活躍も嬉しい。

続編として幾つかの違和感や不安定さを改善し、ある部分では強引の呑み込ませ、鑑賞者に許容させることに成功している。“サメ映画✗ジェイソン・ステイサム映画”の正しいアップデートだったと思える。

つらつらと駄文を綴ってしまったが、それくらいB級モンスター映画ファンの琴線を揺さぶる作品であったということ。評価点以上に満足度は高い。

 

「MEG ザ・モンスター」映画レビュー“「ディープ・ブルー」in ジェイソン・ステイサム”
この映画は、“B級モンスター映画(サメ映画)”であると同時に、紛れもない“ジェイソン・ステイサム映画”である。(映画「MEG ザ・モンスター」ネタバレ批評・レビュー・感想)

 

Information

タイトル MEG ザ・モンスターズ2 MEG 2: THE TRENCH
製作年 2023年
製作国 アメリカ/中国
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境
評価

 

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