「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」“「てぇてぇ」という意味を実感する推し活映画”

2024☆Brand new Movies

評価:  8点

Story

殺し屋協会に所属するプロの殺し屋コンビ、杉本ちさと(髙石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)が宮崎県に出張。到着早々ミッションをこなし、バカンスを満喫していたが、ちさとはあることに気づく。今日は相棒まひろの誕生日、しかしこの後は次の殺しが入っていてプレゼントを用意する暇もない。内心の焦りを隠しつつ、ターゲットがいる宮崎県庁に向かう。チンピラを一人消せば終了する簡単な仕事のはずだったが、指定された場所にいたのはターゲットに銃を向けている謎の男。たった一人で 149 人の命を奪い、150 人目を手にかけようとしている“史上最強の敵”が、ちさととまひろを絶体絶命のピンチに追い詰めるのだった・・・。 Filmarksより

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ 特別予告「そっか、自由か。」ver.
シリーズ1作目『ベイビーわるきゅーれ』の劇中でまひろが忘れらんねえよのTシャツを着ていた親和性もあり、「忘れらんねえよ」と髙石あかりと伊澤彩織が“ちさと&まひろ”としてコーラスで参加した挿入曲「そっか、自由か。」が新たな映像と共に流れる特別…more

 

Review

ふと気がつくと、自分のSNSのタイムライン上には、本作の公式アカウントや、主演女優たちの投稿、そして“彼女たち”のファンのリポストが溢れていた。
能動性と受動性が相まったその情報の流入状態は、まさに“推し活”時のそれであり、「ああ、そうか」と気づく。“ちさまひ”は、既に私の“推し”なのだなと。

これまで、アイドルに対する“推し活”は経験していたけれど、映画やアニメや漫画の作品に登場するキャラクターを“推し”とする「感覚」が今ひとつよく分からなかった。
演じている俳優や声優の“ファン”ということであれば分かりやすいけれど、実在しない架空のキャラクターに対して、尊び、応援するという「状態」がピンときていなかったのだと思う。

のだが、本シリーズ3作目を喜び勇んで劇場鑑賞して、ようやくその「感覚」と「状態」を自分自身のものとして実感した。
作品自体も国産アクション映画として充分すぎる程に面白かったのだが、それ以上に、主人公である“杉本ちさと”と“深川まひろ”の言動そのものが愛おしくて尊かった。ネットスラングで言うところのまさに“てぇてぇ”を、自身の声として初めて発したくなった。

この映画シリーズの世界観らしく、ストーリー展開は良くも悪くもグダグダでユルユルなのだけれど、そんな世界観の中で、二人の女子殺し屋コンビがひたすらにキャッキャとふざけ合い、そしてひたすらに真剣に殺し合うという究極のアンバランスが、“刺激的”を越えてもはや心地いい。

無論そこには、両主演の女優たちの演者としての表現力と、卓越したアクションが確固たる説得力として存在している。
どこまでが台本通りのなのか分からないダラダラとした会話劇を、その会話の性質のままダラダラと演じてなお、そのダラダラとした空気感に我々観客を引き込むということは、実は普通のことではない。
髙石あかりと伊澤彩織の両女優の相性の良さと、映画世界内外を包括するような“バディ感”がその奇跡的な空気感を創出しているのだと思う。

そして、絶対的なアクション描写。スタント出身の伊澤彩織の体技はもはや言わずもがな。実際のところ、彼女は現時点で国内No.1の“アクション女優”だろう。
真田広之の「SHOGUN」によって時代劇をはじめとする日本の娯楽映画文化に注目が集まっている今、もっとこの国の映画界は“伊澤彩織”という才能を重宝し、世界に打って出るべきだと強く思う。
一方の、狂気性と猟奇性が滲み出る髙石あかりのアクション表現にも益々磨きがかかっていて、本作のアクション映画としての質を更に高めていると思えた。

前作「2ベイビー」では、コメディ要素に偏りすぎた印象が強く、主人公たちの「殺人」描写があまりにも希薄でおざなりだったことが大きなマイナス要因だったのだけれど、本作ではコメディ描写はしっかりと押さえつつ、“殺し”は“殺し”として変な忖度なく描き抜いていることが素晴らしかった。
この奇妙な映画世界の中で「殺し屋」として生きる彼女たちのアンビバレントと、それに伴う“陰と陽”が表現されていたと思う。

また、本作においてもう一つ特筆すべきは、最強の敵役を演じた池松壮亮だろう。
個人的に彼の出演作の演技に対してはどちらかと言うと否定的な印象が多く(「シン・仮面ライダー」を筆頭に……)、本作のキャスティングにも懐疑的だったのだけれど、ズバリ「最高」だった。
陰キャで異常な生真面目さを有する孤独な殺人者のエキセントリックな狂気性を見事に体現していた。きっとこのキャラクター性は、俳優池松壮亮の本質にも合致していたのだろう。伊澤彩織と対峙するアクション性も申し分なく、想像を大いに越えて“ハマり役”だったと思う。

ただ一つ苦言を呈するならば、オープニングクレジットとエンドクレジットをもっと凝ってほしいということ。アバンタイトルからのアガるオープニングクレジットや、映画の余韻を爆上げするエンドクレジットがあれば、本作はもっと推し活冥利に尽きる愛すべき作品になっていたと思う。

映画公開と同時に放映されているテレビドラマ版も含め、コンテンツとしての可能性は益々広がっていると思うので、引き続き精力的に“推し”ていきたい。

 

「ベイビーわるきゅーれ」映画レビュー “あたしたち、殺し屋ですのよ”
いつの時代も、“動ける”女優は魅力的で美しい。それは映画が「活動写真」と呼ばれた時代から娯楽的本質だと思う。 髙石あかりと伊澤彩織、主人公のJK殺し屋コンビを演じた二人の無名女優が、何をおいてもとても魅力的だった。
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」 “もっとイカれ&カワイイ暴力的ファンタジーを貫いて”
昨年前作を観て、主人公であるJK殺し屋コンビが織りなす空気感と世界観にすっかり魅了されてしまった。 ほぼ「無名」と言っていい髙石あかりと伊澤彩織という二人の若い女優たちが体現する特異な“殺し屋像”は、国内外のボンクラ映画ファンたちを虜にしたに違いない。

 

Information

タイトル ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
製作年 2024年
製作国 日本
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境 映画館
評価 8点

 

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画像引用:http://www.cinema-life.net/p241005_bwmv/#google_vignette

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