「THE GUILTY/ギルティ」“PCモニター+ヘッドフォン鑑賞推奨映画No.1”

スバラシネマReview

評価:  8点

Story

緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。 Filmarksより

2/22(金) 公開 『THE GUILTY/ギルティ』予告編
犯人は、音の中に、潜んでいる。人間が聴覚から得られる情報はわずか“11%”88分、試されるのはあなたの想像力デンマーク発の新感覚サスペンス『THE GUILTY/ギルティ』『セッション』『search/サーチ』に続き、サンダンス映画祭観客賞…more

 

Review

鑑賞後、映画情報サイトで本作の詳細を確認したところ、“出演”の項目が主演俳優のヤコブ・セーダーグレンの表記のみで、残りのキャスト情報は“声の出演”になっていた。
当然認識していたことではあったけれど、本作が極めてミニマムなキャスティングによるアイデアに溢れた密室サスペンスであったことを再確認した。

とある業務上の問題行為による謹慎処分で緊急通報司令室に飛ばされているらしい刑事の男が、現場復帰前夜の職務で受けた一つの緊急通報により、人生の岐路に立たされる。
緊急通話の“会話劇”のみで紡ぎ出される或る事件が、緊迫感たっぷりに描き出されると同時に、主人公の置かれている立場や彼の人間性が浮き彫りになっていく様が、とても巧みだった。

主人公が偶然にも受けてしまった事件そのものの真相もサスペンスフルだったが、その顛末によって突如として彼本人に突きつけられた“罪と罰”の描写が非常にスリリング。
映し出される舞台は一貫して緊急司令室内のみであり、1カットも“外”の様子が挟み込まれることはない。故に映画的な絵面は地味なはずなのに、その緊張感をキープし続ける映画術は見事だった。

人間誰しも、自分が犯した過ちに対して気づかないふりをしてみたり、必死に正当化したりして、自分自身に対して「嘘」をついている。
ただ、ふとした瞬間に、その嘘を自ら暴かなければならなくなったとき、どういう言動に至るのか。そこに、人間としての本質が現れるのかもしれない。

本編を通じて、主人公は方々に電話をかけつづける。
ラストカット、彼は誰に最後の電話をして、外への扉を開けたのか。
(最後に扉を開ける映画は大体傑作説を本作は証明している)

デンマーク産のなかなか妙味な作品だった。
あと、本作ほど自室のPCモニターで“ヘッドホン”をして鑑賞するスタイルに相応しい映画も他に無いだろうと思う。

 

Information

タイトル THE GUILTY/ギルティ DEN SKYLDIGE
製作年 2018年
製作国 デンマーク
監督
脚本
撮影
出演
声の出演
鑑賞環境 インターネット(Netflix・字幕)
評価 8点

 

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画像引用:https://cinema-mode.com/den-skyldige-aka-the-guilty2018

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