評価:
9点Story
東京でハイテンションな女子高生ライフを送る、小山門出と“おんたん”こと中川凰蘭。ふたりが暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。衝撃と哀しみに打ちのめされるふたり…。その後、大学に入学した門出と凰蘭は竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、尾城先輩がいるオカルト研究会に入り浸り、大学生生活を謳歌するが…一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、上空の母艦は傾き、煙を立ちのぼらせている。政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘が暗躍し、世界が終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、不思議な少年・大葉に遭遇する― Filmarksより
『デデデデ』アニメシリーズ版が爆誕!!ティザー映像『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』映画版とは異なるラストの全18話のアニメシリーズ版が爆誕!!2024年12月4日(水)より発売のGAGA★ONLINE STORE限定コンプリートBOXに収録決定!【GAGA★ONLINE …more
Review
僕はもっともっと強くなる
誰に悪魔と呼ばれても
嫌われたっていいじゃない
君が生きてくれるなら
原作者浅野いにおによって、このアニメシリーズのために書き下ろされた主題歌「SHINSEKAIより」のセンテンスが延々と頭を巡り、何か覚醒めいたものを呼び起こした。
この突飛な「SF」が描き出したものが、世界の愚かさ、浮世の不条理、それに伴う怒りや悲しみを更に一歩踏み越えて、ただ自分自身にとって「絶対」の存在を尊び、慈しむ、“彼女たちの物語”であったことに、僕の中のエモーションが極まった。
原作漫画の最も重要なシークエンスでありながら、映画作品では描き切ることができず、大いに落胆してしまった“真のエンディング”をついに迎えることができ、原作ファンとして充足感は大きい。映画版の結末がもたらした、あまりにも致命的なフラストレーションを蹴散らすパーフェクトなアニメシリーズ化だったと断言したい。
ラストシーン、時空も時間軸も異なる“新世界”で、もう一つの世界と同じように二人が並び立ち、同じく他愛もない会話を繰り広げる。そこに実は内包されていた「真意」が、残酷でもあり、救済でもあり、あまりにもエモーショナル。
世界は崩壊し、生命も希望も潰えたとしても、“君”が生きていてくれていることが「絶対」であるという、無防備で破壊的な純真。
浅野いにおの歌詞の通り、誰に悪魔と呼ばれても君が生きていればそれでいい。そして世界の終わりまで二人でいつづけたい。
それが彼女たちにとって、絶対的に揺るがない「正義」だということ。
見紛うことなき世界の終末と、一人の少女の中に存在する多元宇宙の中で、無限に広がる彼女たちの絶望と希望に、原作の最終巻を読んだときと同様に打ちのめされる。
やはりそれは、この物語が終始描き連ねてきた醍醐味であり、「見事」と言っていいSF的な帰着だった。
彼女たちの“選択”は、到底理解し難く、他人にとっては受け入れがたいものだけれど、それでもそれを貫き通すこのSFの光と闇が、深く突き刺さる。
SFファン、漫画ファン、そしてF先生ファンとして、原作漫画と併せてフェイバリットにせざるを得ない作品だった。
残酷なまでに美しいアニメーション世界、そしてano × 幾田りらの声と主題歌による奇跡的な融合が、やっぱり尊すぎる。


Information
タイトル | デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション アニメシリーズ |
製作年(放映期間) | 2024年 |
製作国 | 日本 |
アニメーションディレクター | |
脚本 | |
作画監督 | |
声の出演 | |
鑑賞環境 | インターネット(Amazon Prime) |
評価 | 9点 |
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