「ブレット・トレイン」映画レビュー “極彩色豊かなふりかけ映画”

2022☆Brand new Movies

評価:  9点

Story

世界⼀運の悪い殺し屋レディバグが請けたミッション、それは東京発の超⾼速列⾞でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる⾝に覚えのない殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても、降りられない。最悪な状況の中、列⾞はレディバグと殺し屋たち、10⼈を乗せたまま終着点・京都に向かうが…乗り合わせたはずの10⼈は、偶然ではなく、仕組まれた罠だった。やがて明らかになっていく、殺し屋たちの過去と因縁。そして終着点で待ち受ける世界最⼤の犯罪組織のボス=ホワイト・デスと対峙したとき、思いもよらぬ衝撃の展開が待ち受ける! Filmarksより

映画『ブレット・トレイン』予告4 9月1日(木) 全国の映画館で公開
映画『ブレット・トレイン』9月1日(木)全国の映画館で公開世界で最も運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)。謎の女性から電話越しにブリーフケースを奪うよう指令を受けたレディバグは、気合たっぷりに<東京発・京都行>の超高速列車に乗り込む。しかし、それは彼にとって人生最悪な120分の始まりだった。次々と乗りこん...

 

Review

“ニッポン”は、世界中の外国人にとって、我々日本人が思っている以上に、唯一無二の「娯楽」の塊なんだと思う。
サムライ、ニンジャ、フジサン、アニメ、コスプレ、そしてシンカンセン。時代を越えて積み重ねられたその累々とした娯楽要素こそが、この国を愛する多くの外国人が求めるモノであり、憧れなのだ。

長年、そういった“ニッポン”を愛する外国人が生み出す映画を観ていると、日本人が見せたい“JAPAN”と、外国人が見たい“ニッポン”とでは、そもそものベクトルが異なるということをつくづく感じる。
昔は、そんな“トンデモ”日本描写に対して鼻白むことも多かったけれど、今は、逆輸入の新しい娯楽性として純粋に楽しめるようになったし、それほどまでこの国を愛してくれている海外クリエイターたちに感謝を覚えるようになった。
そう、そこにあったのは、日本文化に対する「無理解」ではなく、圧倒的な「愛」だったのだ。

結論を言うと、本作「ブレット・トレイン」(a.k.a「弾丸列車」)は、想像を遥かに超えた“トンデモバカ映画”だったが、紛れもなく日本がルーツのこの作品は、日本人にとっても圧倒的娯楽だった。
ずばり、エンターテイメント大作として“ケッサク”である。

私は伊坂幸太郎の小説のファンなので、原作「マリアビートル」も既読。
というよりも、ブラッド・ピット主演で映画化という情報を聞き入れてから、一年ほど前に読んだ。
伊坂幸太郎らしい軽妙さと人生観を孕んだ楽しい娯楽小説で、読了時点から本作を鑑賞するのが楽しみだった。
小説のストーリーラインを忠実に映画化しているというわけでは勿論なく、ハリウッド映画化にあたって文字通り大いに「脱線」していることは間違いない。
でも、その「脱線」こそが、ハリウッド映画化の意義であり、ブラッド・ピットが主人公を演じ、「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督がクリエイトすることによる付加価値だろう。

小説の語り口と比較すると、全く別のお話のようにも見えるかもしれないが、原作が描くテーマや精神性は、荒唐無稽の映画世界の中でもしっかりと反映されている。
疾走する高速列車の中で、登場人物たちの「悪運」と「幸運」が、絡み合い、鬩ぎ合い、運命を切り開いていく。
殺し屋たちが織りなすその群像劇そのものは、非現実なファンタジーだけれど、現実世界であってもおびただしい人間たちの悪運と幸運が入り混じっていることには変わりなく、その一つ一つの結果が「人生」であるということ。
理不尽な状況下の中で、悪運を撒き散らしながらも、自身の信念を持って存在し続ける主人公の姿こそが、今この世界で「生きる」ということの本質なのかもしれない。

ともあれ、ちょっと珍しいくらいに嬉々として娯楽映画の主人公に扮するブラッド・ピットを堪能しつつ、“トンデモ”が止まらない本作の暴走ぶりを楽しむのがよろしかろう。
本作の舞台となる“弾丸列車”の名称は「ゆかり」。
そう、ほっかほかの“白飯”に、極彩色豊かな“ふりかけ”をたっぷりかけて味わうつもりで。

 

「アドミック・ブロンド」<10点>
ラストシーン、主演女優が甘美な微笑を携え小気味よく最後の台詞を言い放ち、映画は終幕する。 劇場の暗がりの中、エンドロールを迎えた途端に、涙が滲んできた。 純然たるアクション映画における圧倒的な充足感で涙が出てきたのは初め…more
「デッドプール2」<7点>
前作を鑑賞した際も強く感じたことだが、「反則」こそがこのヒーローの最大の魅力であろう。 バラバラになっても再生するという不死身の肉体そのものがもはや反則的だが、それ以上に、「第4の壁突破」というメタ構造を自由闊達に行き来す…more

 

Information

タイトルブレット・トレイン BULLET TRAIN
製作年2022年
製作国アメリカ
監督
デヴィッド・リーチ
脚本
ザック・オルケウィッツ
撮影
ジョナサン・セラ
出演
ブラッド・ピット
ジョーイ・キング
アーロン・テイラー=ジョンソン
ブライアン・タイリー・ヘンリー
アンドリュー・小路
真田広之
マイケル・シャノン
ベニート・A・マルティネス・オカシオ
サンドラ・ブロック
ローガン・ラーマン
鑑賞環境映画館(字幕)
評価9点

 

Recommended

マリアビートル (角川文庫)
物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! ノンストップエンターテインメント ★2022年、ハリウッド映画化!!★ 主演:ブラッド・ピット 監督:デヴィッド・リーチ(『デッドプール2』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』) 邦題:『ブレット・トレイン』(原題:BULLET TRAIN) ★英国推理作家協会賞(ダガー賞)翻訳…more

画像引用:https://youtu.be/5FrXm0sQOio

コメント

タイトルとURLをコピーしました