とても“意地の悪い”アニメだ。
いかにも少女向けっぽいタイトルとキュートでロリータなキャラクター造形から映し出されるあまりにダークで辛辣な物語世界。
意図的に導き出されたその“ギャップ”は、意地悪で、もはや「悪趣味」に近い。
なるほどこりゃオトナ向けだ、つーかとてもじゃないがコドモには見せられない。
この手のテレビアニメに不慣れなので、そっち方面の声優陣のいかにもな表現方法と台詞回しに対して、嫌悪感に近い居心地の悪さを感じてしまったことは否めない。
が、意地悪な制作陣の狙い通りのショッキングシーンを目の当たりにして、まんまと目が離せなくなってしまったことも事実。
昨今のアメコミ映画が、ヒーローたちのインサイドをえぐり出すことによってファン層を拡大させてきたことと同様に、今作が目指したのはまさに“魔法少女”のインサイドに対する徹底的な追求なのだろう。
「前編」だけではまだ作品として懐疑的な部分も多いが、この先どういうストーリーテリングを見せるのか、興味は高まった。
表面的な嫌悪感が一転して、ハマってしまう可能性は大いに感じている。
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語」
2012年【日】
鑑賞環境:BS
評価:7点
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