
評価: 7点
Story
職を失い、娘の治療費に困るベンは、巨額の賞金が得られるというリアリティショー「ランニング・マン」に参加する。 しかしその実態は、殺人ハンターの追跡に加え、全視聴者すら敵になる、捕まれば即死の30日間の”鬼ごっこ”、生存者ゼロの究極のデスゲームだった。 Filmarksより
映画『ランニング・マン』本予告|2026年1月30日(金)公開職無し・金無し・特殊能力無し 普通の男が、人生一発逆転を賭け「挑戦者VS全世界」「捕獲=即死亡」30日間の“イカれた鬼ごっこ”に挑む!映画『ランニング・マン』2026年1月30日(金)公開--------------------------…more
Review
昔々、日曜洋画劇場で「バトルランナー」を観たのは、何歳の頃だったろうか。淀川長治の解説で始まるB級アクション映画の放送回の記憶が思い出される。
1987年当時アクション映画スターとしての地位を確固たるものにし始めていたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「バトルランナー」は、彼のフィルモグラフィーの中でも、作品の質は別にして、忘れ難い“個性”を放つ作品だったと思う。
ストーリー展開そのものはうろ覚えだが、けばけばしくもチープな劇中のテレビ番組の舞台、主人公たちが着用するコスチュームの絶妙なダサさなど、映画を彩る様々な要素が悪夢のように残っているのは、まさにカルト的だったと言える。
そして、オリジナルの公開から40年近く経ってリメイクされた本作は、その個性やカルト性を踏襲しつつ、現代的アレンジも内包して意欲的に創造されていたと思う。
まず何よりも特筆したいのは、主演を務めたグレン・パウエルだ。
褒め言葉であることを前提に言うが、彼の“B級映画主人公顔”が、本作にハマりすぎている。
「バトルランナー」は、撮影直後に監督が交代するなどのドタバタもあり、主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは作品に対してあまり良い印象を持っていないようだが、本作のグレン・パウエルは、同じ主人公ベン・リチャーズを嬉々として演じており、その見事な弾けっぷりがベストキャスティングだったと思える。(筋肉隆々の肉体美も素晴らしかった)
話によると、本作の撮影前には、「トップガン マーヴェリック」での共演も記憶に新しいトム・クルーズから、“走り方”を教えてもらったというから、俳優としてとても真摯に本作に向き合い、キャラクターを体現してみせたのだと思う。
売り出し中のハリウッドスターとして、本作のリメイク企画に対しては“大コケ”という拭い去れない危惧もあったはずだが、グレン・パウエルは、自分自身の個性をしっかりと反映しつつ役柄をモノにして、本作を真っ当なB級映画として成立させている。
エドガー・ライト監督が“再現”した映画世界は、オリジナル同様にイカれていて、カオスだけれど、この世界観が必ずしも“非現実的”ではないという現代社会における“恐れ”も孕んでいる。
社会的な「格差」をネタにしたり、出演者の人生そのものを消費や娯楽の対象とするテレビ番組は、世界各国において少なからず存在するし、実際に“ランニング・マン”のようなテレビ番組が実現したとしたら、真剣に出演を検討せざるを得ない人は一定数存在するだろう。
荒唐無稽な映画的設定に対して、笑っていられない現実世界は確実に目の前に広がっていて、本作を構成する様々な要素は、その現実をシニカルに表した上で、「娯楽」を構築している。
“粗”がないわけではない。むしろ粗だらけと言っていい。
主人公以外のキャラクター描写がことごとく希薄だったり、“そうはならんだろう”という強引すぎる展開は目白押しだ。
ただ、そういった粗のオンパレードも含めて、「バトルランナー」の正しいリメイクだろうし、“B級映画”という映画史的系譜の「継承」だとも思える。
グレン・パウエルには、アーノルド・シュワルツェネッガーや、トム・クルーズが生み出してきた娯楽映画の継承者として、存在感を放ち続けてほしい。

Information
| タイトル | ランニング・マン THE RUNNING MAN |
| 製作年 | 2025年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | エドガー・ライト |
| 脚本 | マイケル・バコール |
| エドガー・ライト | |
| 撮影 | チョン・ジョンフン |
| 出演 | グレン・パウエル |
| ウィリアム・H・メイシー | |
| リー・ペイス | |
| エミリア・ジョーンズ | |
| マイケル・セラ | |
| ダニエル・エズラ | |
| ジェイミー・ローソン | |
| ケイティ・オブライアン | |
| コールマン・ドミンゴ | |
| ジョシュ・ブローリン | |
| 鑑賞環境 | Web配信(U-NEXT・字幕) |
| 評価 | 7点 |


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