「ゴールデンカムイ」“「ヒンナヒンナ」の和みと変顔までを表現しきったスタッフと演者の勝利”

2024☆Brand new Movies

評価:  7点

Story

舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期―。 日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地での鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。 そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。 金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。 囚人の刺青は 24 人全員で一つの暗号になるという。 そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。 「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。 金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることとなる。 同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉。 日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。 そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。 杉元&アシㇼパ VS.第七師団 VS.土方歳三・・・!! 雄大な北の大地を舞台に、一攫千金!三つ巴のサバイバル・バトルが、今始まるッ――!!!! Filmarksより

映画『ゴールデンカムイ』予告②【2024年1月19日(金)公開ッ‼】
命を懸けた争奪戦が今始まるッ!!!!!!!!!!!!主題歌は本作のために書き下ろされたACIDMAN「輝けるもの」に決定‼黄金の旋律が、本作をより輝かせる――舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治末期―。日露戦争においてもっとも過…more

 

Review

「ゴールデンカムイ」は、今年原作漫画を“大人買い”した作品の一つ。
もちろん、数年前からその独自性とスペクタクルな世界観についての評判はよく聞いていたのだが、例によってふと読み始めた漫画アプリの無料配信分にドハマリしてしまった。
漫画表現ならではの緊張と緩和、バイオレンスとグルメ(和み)、そして明治時代末期の北海道を舞台にした歴史観と冒険譚のバランスが絶妙で、抜群の娯楽性を創出していると思う。

私は、映画好きであるが、それと双璧を成す漫画好きでもあるので、漫画の映画化が必ずしも幸福に至らないことをよく知っている。いやむしろ、漫画作品としての完成度高まれば高まるほど、その映画化の辿り着く先は「地獄」であることが必然であろう。
だから、この手の漫画の映画化作品は、基本的に観ないようにしている。

それでも、そんな私を本作の鑑賞に至らしめた要因は、何と言っても実写化におけるキャラクターの造形力だ。原作の極めて“マンガ的”なキャラクターたちを、過不足無く、そして違和感無く、見事にクリエイトしていると思えた。
実際に鑑賞してみると、一人ひとりのキャラクターのヘアメイクや衣装の極めて高い精度が、本作の最大の成功要因であることがよく分かる。

そして演者たちも、制作スタッフたちの高い技術力に呼応するように、原作を読み込み、リスペクトした上でのキャラクター造形に努めていたと思う。
不安だったのは、主人公である“不死身の杉元”と“アイヌの少女アシㇼパ”を演じた、山崎賢人と山田杏奈だったのだが、この二人のキャラクターへのフィット感が、個人的な想定を大いに越えて良かった。
特に“アシㇼパ”は、原作漫画ではもっと見た目にもわかりやすく「少女」なので、大人の女優が演じる以上、違和感は禁じ得ないと思っていたが、演じた山田杏奈はそんな印象をほぼ感じさせず見事に演じきっていた。

本作全体の白眉なポイントでもあるが、この漫画に無くてはならない“グルメ描写”を丁寧にちゃんと映し出し、山田杏奈演じるアシㇼパの「ヒンナヒンナ」を多幸感溢れる“和み”と共に表現しきったことが、何よりも素晴らしかったと思う。(エンドクレジット中の“オソマ”入り鍋を食べるシーンなど最高じゃないか!)

あとは、過去最高の怪演を見せる玉木宏をはじめ、金塊争奪戦の群像を彩る各キャラクターたちの造形と表現もみな原作ファン納得の仕上がりだった。
これからの展開に登場するありとあらゆるキャラクターたちのクリエイトも当然期待できる。

が、個性豊かな囚人たちが続々登場する“囚人争奪編”は、なんとWOWOWドラマ化とな。
憎らしいくらいに“上手い”戦略に、WOWOW再加入を悩み始める今日このごろなのは言うまでもない。(桜井ユキ扮する家永が見たすぎる)

 

Information

タイトル ゴールデンカムイ
製作年 2023年
製作国 日本
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境 インターネット(Netflix)
評価 7点

 

Recommended

https://amzn.to/3YvsTso

画像引用:https://hitocinema.mainichi.jp/article/weekend-cinema-golden-kamuy

コメント

タイトルとURLをコピーしました