成人して、読む漫画もだんだんと大人向けの作品に移行してきたこの数年間で、もっとも大きな発見は「鉄腕ガール」だったと思う。
終戦直後、アメリカによるある意味での“侵略”と“復興”の中で実在した<女子プロ野球リーグ>の発足と、そこに誕生した一人の女流投手の“生き様”を描いた作品。
ひたすらに、熱い!熱すぎる。
主人公、加納トメが凄まじいのは、「鉄腕麗人」と呼ばれたその投球ではない。
文字通り、戦後の軋轢の中を“左腕一本”で生き抜き、切り裂いていく、壮絶な人生そのものだ。
愛する人と、自分自身の“生死”を乗り越えるその人生は、客観的に見れば、苦悩と悲痛に溢れる。しかし、その果てに彼女はきっぱりとこう言う。
「結構面白いぜ アタシの人生」
低迷する現在のプロ野球、もしくは日本という国そのもの。その復活のヒントがこの漫画にあるのではないか。
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鉄腕ガール (1) (2000/04) 高橋 ツトム |
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