評価:
5点Story
天才的な頭脳を持つ医師マイケル・モービウス。 彼は、幼い頃から治療の術がない血液の難病を患っていた。 医師として多くの命を救い、ノーベル賞という名誉も手にしながら、 己の病を治す方法だけを見つけることができないモービウス。 身体はやせ細り、松葉づえなしには歩くことさえままならない。 時間だけが刻々と過ぎ、忌々しい血液が彼の命を蝕むなか見出したひとつの可能性。 それはコウモリの血清を自らの身体に投与するという、危険すぎる治療法だった――。 Filmarksより
『モービウス』予告5 4月1日(金)全国の映画館で公開この治療は呪いだ──生きるため自ら実験台となり施した治療法により、天才医師マイケル・モービウスが<悪>へと堕ちる。天才的頭脳を持つ医師マイケル・モービウスは、幼い頃から患っていた血液の難病を治すべく、コウモリの血清を投与するという危険すぎる治療法を自らに施す。その結果、人間を超越するパワーを手に入れたモービウス。...
Review
夏時期になると自宅の周りにコウモリが多くて困っている。
以前などは、いつの間にか室内に入り込んでいて、恐怖におののいた。
本作で、主人公モービウスがコウモリの化け物に変態してしまって、天井の片隅に張り付いている様は、その時のおぞましさを思い出すとともに、禍々しくて良かったと思う。
作品全体を総じて、ハイセンスなビジュアルは流麗で独創的だったと思えた。
怪物化したモービウスがモクモクとした煙のような形態で、縦横無尽に飛び回り襲いかかる描写も、美しさと禍々しさを併せ持った印象的なビジュアル表現だった。
主演のジャレッド・レトは、“変態前後”で見事な肉体改造を見せ、新たなダークヒーローを熱演している。
主人公の親友でありヴィランとなる“マイロ”を演じたマット・スミスも、独特な風貌と佇まいで好演していたと思う。ヒロイン役のアドリア・アルホナも良かった。
映像表現も、キャストのパフォーマンスも優れていたのだが、いかんせん話運びが稚拙で上手くない。
ストーリー展開が破綻しているということはないし、主人公やその親友の悲痛な人生や、ヒロインとの関係性など、エンターテイメント映画として高揚感や感動を生む要素は確実に孕んでいたと思える。
適切なストーリーテリングで深めるポイントを間違わなければ、もっとストレートに胸に響く味わい深い作品になっていたのではないかと思う。
MCU作品「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でのマルチバース展開を経て、ソニー・ピクチャーズに舞台を移した新たなユニバース展開を広げていくためのポストクレジットシーンも、少々物足りない。
マイケル・キートン演じるトゥームスの登場自体は良いが、それだけではやはり弱いし、本作における主人公の帰着に対して違和感は拭えなかったなと。
残念ながら満足感の高い作品では無いが、続編と計画されているユニバースの展開には期待したい。
本作のモービウスのケムリ移動に、「スパイダーマン」や「ヴェノム」のアクションが入り混じった光景は、想像するだけでもアメージングだ。
何よりも、ジャレッド・レトには、アメコミ映画におけるせっかくの熱演・好演が報われなかった過去(無きものにされた元祖“スーサイド”)があるので、今回は何とか報われてほしい。
Information
タイトル | モービウス MORBIUS |
製作年 | 2022年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ダニエル・エスピノーサ |
脚本 | マット・サザマ |
バーク・シャープレス | |
撮影 | オリヴァー・ウッド |
出演 | ジャレッド・レトー |
マット・スミス | |
アドリア・アルホナ | |
ジャレッド・ハリス | |
タイリース・ギブソン | |
アル・マドリガル | |
マイケル・キートン | |
鑑賞環境 | インターネット(U-NEXT・字幕) |
評価 | 5点 |
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画像引用:https://youtu.be/UqQLsZEwyic
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