「姑獲鳥の夏」

2005☆Brand new Movies

 

「この世には、不思議なことなど、何もないのだよ、関口くん」
“異形のもの”を題材とする映画のはずなのに、何とも妙な台詞である。
だが、だからこそ、こういう台詞に僕は弱い。そこには、明確な意志と意味があるからだ。
それが何なのか、考えると、ワクワクする。

話は変わるが、怪談にしても、妖怪にしても、日本の“恐怖”には、とても夏がよく似合う。
じっとりとした空気の中でおぞましい冷ややかさが背筋を凍らす……、それが日本の文化としての恐怖であろう。

夏の眩い日差しが生み出す、くっきりと暗い陰影の中で蠢く恐怖の感覚。そういうものを、きちんと表現できている段階で、この映画は「見事」だと断言できる。
そして、主人公・京極堂の“妙な”台詞の通りに、「この世に不思議なことは何もない」
あるのは、この国の日常の中で息づく、異形の存在であり、それに寄り添って生きる人間の歪んだ精神である。
それは、ずうっと昔から語られ、存在し続ける、日本の文化なのだと思う。

奇妙で、最後まで輪郭がはっきりと見えない話であるが、豪華なキャスト陣により終始安心して観られる。
特に物語の核となる双子を演じた原田知世は、美しく、だからこそ怖い。
ただ、原作者・京極夏彦の出演は如何なものか…。別に悪いってことではないのだけれど、かと言って必要でもなかったし、昨年の歴史的超駄作「デビルマン」における永井豪の出演が思い起こされ、ある意味ゾッとした……。

「姑獲鳥の夏」
2005年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:7点

コメント

  1. #29:姑獲鳥の夏

    KAZZのこの映画の評価  
    キャストが凄いこの映画
    堤真一は、本当に上手い最高です
    メイン?キャストを好きな順に並べると。。。
    堤真一、阿部寛、原田知世、松尾スズキ、宮迫博之、永瀬正敏、田中麗奈、いしだあゆみ かな?
    映像化は、不可能と言われた京極…

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