DVDのジャケットを手に取った時から何となく予感はあったのだけれど、このフランス製アニメーションは良い!さすが、ジブリが推奨するだけのものはあるという感じ。
どういう工程を経ているのかは定かではないが、このアニメーションは、切絵みたいな影絵みたいな何とも不思議なデザインでシンプルに表現される。
そして、“プリンス”と“プリンセス”についての10分ほどのおとぎ話的な短編6本が、とても可愛らしく映し出される。
と、言うと、なんだかとても子供っぽい作品のように聞こえるが、一概にそうではない。
描かれる寓話の時代背景は、中世なり、古代エジプトなり、魔女の住む世界なりととてもファンタジーに溢れているが、その世界観はユーモアを携えつつ、とても辛辣で意味深い。
加えて、作品のあちらこちらにセンスの良さが溢れる“お洒落さ”も、たまらない。
年代を問わず楽しむことができ、それぞれが異なった「面白味」を見出せる優れたアニメーションだと思う。
「プリンス&プリンセス Princes et Princesses」
1999年【仏】
鑑賞環境:DVD(字幕)
評価:8点
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