「亡国のイージス」

2005☆Brand new Movies

 

日本のほとんどの映画好きな人たちは、
「日本ではハリウッドのようなエンターテイメント大作は作れない」
と思っている。
そしてそれは、たぶん正しい。
なぜなら、“日本はハリウッドではないからだ”。ハリウッドでないのに、ハリウッド映画は作れないし、ハリウッド映画を目指してハリウッド映画以上のものは作れない。
そういうあまりに当たり前の事実を、多くの人が見失っていたのだと思う。

そして、この映画は、そういう間違った認識に対する“答え”を初めて明確な形として提示した映画なのだと思う。

その答えとは、すなわち、“日本人が日本人を描く”という、これまた当たり前に聞こえる要素だ。
当たり前のことなのに、これまでの日本のエンターテイメント映画ではそのことがないがしろにされてきた。
そして、それは何も映画製作に携わる人間だけの責任ではなく、日本人という国民自体の責任である。
自身の民族性そのものをないがしろにし、そこから端を発する問題意識に触れることを避け続けてきた結果なのだ。

しかし、この映画はそういう日本人が最も“不得意”としていた部分に勇敢に触れていった。そして、日本人そのものと、現実に存在する確固たる問題意識を描くことができたのだと思う。
“日本人だから、日本人にしか作れない映画を作る”
結局、その原点回帰的な試みが、“世界基準”への最短であり、自分たちの可能性の幅を大きく広げるために必要なことだと思う。

……などと固いことを並べ立ててしまったけど、とにかく、言いたいのは、「やっと日本映画が、スゴク興奮するエンターテイメント大作を作ってくれた!!」ってことなわけで。この映画に携わったすべての“表現者”たちは、自分たちの能力の高さをどこまでも証明して見せたと思うのです。

「亡国のイージス」
2005年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:9点

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