史上最強馬

クリスマスイブ。部屋で一人、競馬中継を観る。

第51回有馬記念。ディープインパクトのラストラン。

そういえば、去年も有馬記念の中継を観た。すでに“無敗の三冠馬”の称号を手にしていたディープインパクトは、ハーツクライに敗れデビュー初黒星を喫した。

あれからもう1年も経つのか。と、思う。

史上最強馬という肩書を不動のものとし、満を持して挑んだ世界戦「凱旋門賞」。そして禁止薬物使用による無念の失格措置。

直後、引退を発表し、迎えた最終レース。

「勝利」という絶対条件。

スポーツ競技において、そんな条件は在り得ない。

が、ことディープインパクトに対しては、当然のようにその条件を与えられる。

それは、この馬が、ことごとくその条件を消化してきたからに他ならない。

そしてラストラン。その条件はもはや必然となる。誰もがその結果を望む。

そうして展開されたレースは、まさに「独壇場」だった。

圧倒的という言葉では尽くせない。他の13馬は、まさに次元の違いを見せ付けられた格好となった。

見事すぎるほどの「有終の美」だったと思う。

競馬のレースで号泣する人を見て、「何をそんなに泣くことがあるのか」と思っていた。

が、今日のディープインパクトの、まさに飛ぶような走りには胸に迫るものがあった。


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