「トゥモロー・ウォー」映画レビュー “愛され馬鹿は地球と映画を救う”

トゥモロー・ウォー2021☆Brand new Movies

トゥモロー・ウォー

評価: 7点

Story

タイムトラベラー達が緊急のメッセージを届けに2051年からやってきた。その内容は今から30年後の未来、人類はエイリアンとの戦争に敗れるというものだった。人類が生き残る唯一の希望は、今、ここにいる兵士や民間人を未来へ送り込み戦いに参加させること。娘のために世界を救うことを決意したダン・フォレスターは、地球の運命を書き換えるため、優秀な科学者と疎遠になっていた父親と結束し戦いに挑む。 Amazon Prime Videoより

トゥモロー・ウォー7/2配信開始!| オフィシャルトレーラー| プライムビデオ
タイムトラベルして、未来を救え。未知の敵から地球を守るため、2051年の戦争に挑むSF超大作『トゥモロー・ウォー』7月2日(金)独占配信開始■出演■クリス・プラットJ・K・シモンズイヴォンヌ・ストラホフスキーベティ・ギルピンサム・リチャードソンエドウィン・ホッジ#TheTomorrowWar#クリスプラット#am...

 

Review

「Amazon Prime Video独占配信映画」として、連日TVCMでパワープッシュされているこのSF超大作は、クリス・プラット主演&製作に相応しい“脳筋馬鹿”なブロックバスター映画だった。

元従軍科学者(現高校教師)というキャラ設定にも関わらず、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の“スター・ロード”まんまな愛され馬鹿にしか見えない主演俳優のキャラクター性も相まって、なんだか憎めない娯楽映画に仕上がっていたと思う。

エイリアンに侵略されて滅亡の危機に貧している未来の人類が、時間を逆行し、過去の人類に救いを求めるという導入から、全人類総動員のSFサバイバルが展開される。
そのプロットからも伝わってくる通り、ストーリーテリングは極めて大味で雑多だ。もはやさもありなんと言わんばかりに、“ツッコミどころ”のオンパレードだ。

そもそも、時間移動を可能にしたテクノロジーを手にしていながら、導き出された戦略が、人口密度が高い時代に遡っての「地球人総動員」て、第二次世界大戦当時の大日本帝国よりも酷い。
時間移動という“反則技”を使えるのだから、地球規模の「徴兵」なんてせずとも、もっと本質的な解決策はいくらでもありそうなものだ。

という難癖を終始巡らせながらも、全編通して飽きること無く、また白けることもなく、エンドロールを迎えることができたのは、今作が娯楽映画として抑えるべきポイントをきちんと携えているからだろうと思う。
それは、前述の主演俳優の魅力であろうし、エイリアンの絶妙に気持ち悪く悍ましい造形だったり、馬鹿馬鹿しくも大胆でユニークなアクション描写だったり、一転して普遍的な父娘のドラマだったりと多岐にわたる。

何と言っても、クライマック前に訪れる、父親と未来の娘が迎える終着。
膨れ上がった絶望と一抹の希望が介在するあまりにも恐ろしくて、あまりにも美しいあの圧倒的なビジュアルを映し出したことが、今作のハイライトだろう。

例によってコロナ渦の影響を受け、劇場公開に至らず、Amazonが権利を買い取った今作。
大仰なスペクタクルシーンの数々をスクリーンで鑑賞したかったとも思うが、このクラスの大バジェット映画を独占配信で観られるという贅沢感は存分に堪能できたなと。

 

Information

タイトルトゥモロー・ウォー THE TOMORROW WAR
製作年2021年
製作国アメリカ
監督クリス・マッケイ
脚本
撮影
出演
クリス・プラット
J・K・シモンズ
イヴォンヌ・ストラホフスキー
ベティ・ギルピン
サム・リチャードソン
 エドウィン・ホッジ
鑑賞環境インターネット(Amazon Prime Video・字幕)
評価7点

 

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