評価:
4点Story
特殊能力を持つミュータントたちで結成されたX-MENは、人類と共存し平和を守っていた。ある日、X-MEN最強メンバーのジーン・グレイは、NASA乗組員救出の宇宙ミッション中の事故によって謎の熱放射を浴びてしまい、心の闇に潜んでいた彼女のもう一つの人格 “ダーク・フェニックス”を覚醒させてしまう。強大なパワーを暴走させる彼女を救おうと手をさしのべる仲間。しかし、制御不能の力は思いがけない悲劇を引き起こす。そこへジーンのパワーを利用しようと謎の女が近づいてくる。地上の全生命体を滅ぼしかねない<最大の脅威>となった”ダーク・フェニックス”に、X-MENが立ち向かう術はあるのか―。 Filmarksより
映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』本予告【最後のX-MEN】編すべてが、終わる。マーベル史上最大の脅威。これが最後のX-MEN。 X-MENの主要メンバーである女性ミュータント、ジーン・グレイは、ある宇宙ミッションの事故が原因で、内なるダークサイド“ダーク・フェニックス”が覚醒。強大なパワーを持つその…more
Review
時空は常に分岐し、並行世界が幾重にも分かれて存在している。
故に、その数の分、「未来」も存在する。
という“パラレルワールド”の前提を受け入れた状態で今作を観たので、この映画世界内のX-MENが辿ったグダグダな顛末もまだ許容できた。
無論、満足感とは程遠い仕上がりであったことは否定しないけれど。
“X-MEN”の第一世代に遡って描き出されたこのリブートシリーズの一作目「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」は、非常に優れたエンターテイメント作品だった。
プロフェッサーXとマグニートーの若き日々の葛藤と対立を主軸にして、冷戦下の時代背景も交えつつ、“X-MEN”創設のドラマを娯楽性豊かに映し出した傑作であったと思う。
そして、その続編の「X-MEN:フューチャー&パスト」は、前作から一転して華々しい娯楽性を抑え込んだアメコミヒーロー映画としては特異なストーリーテリングの中で、“マイノリティー”として生まれ生きることの意味と意義、それに伴う苦悩と苦闘を描き切っており、これもまた傑作だったと思う。
「フューチャー&パスト」では、前シリーズの主人公“ウルヴァリン”の一つの帰着も含めた大団円が多幸感たっぷりに描き出されていた。
今となっては、このリブートシリーズは2作品で終わらせるべきだったと強く思う。
その後の三作目「X-MEN:アポカリプス」、そしてこの四作目はまったくもって蛇足であり不要だったと思う。
なので、この「X-MEN」リブートシリーズに対しては、「ファースト・ジェネレーション」→「フューチャー&パスト」を一つの時間軸として区切り、続く「アポカリプス」→「ダーク・フェニックス」はまた別の時間軸の並行世界の出来事として捉えることが、映画ファンとしては幸福だろうと思う。
これまた別次元の世界観の中で“オールドマン・ローガン”を描いた「LOGAN/ローガン」(大傑作)を踏まえても明らかなように、アメコミのヒーローたちは、無数の多元宇宙の中で少しずつ異なった葛藤とドラマを生んでいる。
その中には、正しく正義を貫けなかったことも、苦悩に押し潰されてしまったこともあろう。
そういう並行世界が表裏一体で存在しているからこそ、我々は、ヒーローたちの分かりやすい「勝利」に歓喜できるのかもしれない。




Information
タイトル | X-MEN:ダーク・フェニックス DARK PHOENIX |
製作年 | 2019年 |
製作国 | アメリカ |
監督 |
サイモン・キンバーグ
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脚本 |
サイモン・キンバーグ
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撮影 |
マウロ・フィオーレ
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出演 |
ジェームズ・マカヴォイ
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マイケル・ファスベンダー
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ジェニファー・ローレンス
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ニコラス・ホルト
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ソフィー・ターナー
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タイ・シェリダン
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アレクサンドラ・シップ
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ジェシカ・チャステイン
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コディ・スミット=マクフィー
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エヴァン・ピーターズ
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鑑賞環境 | インターネット(Amazon Prime Video・字幕) |
評価 | 4点 |
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