「七つの会議」映画レビュー “堺雅人は出てきません、あしからず”

七つの会議2020☆Brand new Movies

七つの会議

評価: 6点

Story

都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)はどこの会社にもいる、所謂“ぐうたら社員”。トップセールスマンである課長の坂戸宣彦(片岡愛之助)からはその怠惰ぶりを叱責されるが、ノルマも最低限しか果たさず、定例の営業会議では傍観しているのみ。絶対的な存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針の元で部員が寝る間を惜しんで働く中、一人飄々と日々を送っていた。ある日突然、社内で起こった坂戸のパワハラ騒動。そして、下された異動処分。訴えた当事者は年上の部下、八角だった。北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。そんな中、万年二番手に甘んじてきた原島万二(及川光博)が新課長として着任する。会社の“顔”である一課で、成績を上げられず場違いにすら感じる原島。誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤。だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた……。 Amazonより

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Review

現在、「半沢直樹」の第2シーズンにハマり中。
過剰なまでに“舞台調”の大仰な演出にはもはや笑ってしまうが、その振り切った表現も含めて、あのドラマの娯楽性であろうし、あれくらい臆面もなく勧善懲悪を描ききってくれるからこそ、カタルシスは高まるというものだ。

「倍返し」の流行語も生んだ2013年の「半沢直樹」第1シーズンの社会的ヒット以降、作者・池井戸潤の原作は、ありとあらゆる作品が映像化されてきた。
すべての作品を観てきたわけではないけれど、どの作品も、日々声に出すことができないこの国の社会の鬱積や理不尽に対して、作品の主人公たちが痛快に立ち回ってくれることが、多くの日本人にとって高揚感となり活力となっていることは想像に難くない。

現代社会における「時代劇」という寸評も、言い得て妙であり、それは江戸時代の人々が「歌舞伎」や「講談」に興じた風景と似通っているようにも思える。

 

今作「七つの会議」の原作は、この映画化作品が劇場公開されるタイミングで読んでいた。
中堅電機メーカー社内で巻き起こる「小市民」たちの葛藤と鍔迫り合いが実に生々しく描かれていた。
主人公・八角民夫も含めて、登場する人物が皆この社会のどこにでも存在する「小市民」だからこそ、おそらくこの国のすべての「会社員」は身につまされる事だろうと思った。無論、自分自身を含めて。

この映画化作品も、原作のイメージを損なうこと無く、概ね忠実に仕上がっていると思う。
まさに“池井戸ドラマオールスター”といって過言ではない勢揃いのキャスティングが、まず楽しい。
出演はしていないけれど、「半沢直樹」の堺雅人や、「下町ロケット」の阿部寛が登場してきても不思議じゃない世界観は、まるで一つのユニバースを構築しているようだった。

主演は野村萬斎。原作においても“変人的”に描き出される主人公像を、更に過剰な演技プランで強烈に表現しており、この稀代の能楽師がキャスティングされたことの意味を見せつけている。

「半沢直樹」においても、歌舞伎役者や落語家などの有名所が数多くキャスティングされているが、池井戸原作を映像化するに当たっては、前述の“時代劇性”も含めて、やはり古典芸能との相性が良いのだろう。
(今や飛ぶ鳥を落とす勢いの講談師・神田伯山が何かの作品でキャスティングされるのも時間の問題だろうな)

原作小説の段階から現実感のない破天荒ぶりを見せる主人公だったが、それを野村萬斎が演じることで、更に現実感は無くなっている。
ただ、その様相は、もはやこの社会原理の善悪を問う“メフィストフェレス”のようでもあり、ラストの滔々と語るモノローグも含めて、ずばり悪魔的であった。

 

「半沢直樹」や「下町ロケット」のように分かりやすく英雄的な主人公が不在の作品なので、より生々しい分、分かりやすいカタルシスは得られない。
結果として、非常にモヤモヤしたものを抱えつつ、今自分自身が身を置く社会や会社の風景を訝しく眺める羽目になるだろう。

 

原作小説のように章立ての構成になっていないので、「七つの会議」というタイトルについては正直意味不明なことになっていたな。

 

Information

タイトル七つの会議
製作年2018年
製作国日本
監督福澤克雄
脚本
丑尾健太郎
李正美
撮影
橋本智司
出演
野村萬斎
香川照之
及川光博
片岡愛之助
音尾琢真
藤森慎吾
朝倉あき
岡田浩暉
吉田羊
土屋太鳳
春風亭昇太
立川談春
勝村政信
役所広司
世良公則
鹿賀丈史
橋爪功
北大路欣也
鑑賞環境インターネット(Amazon Prime Video)
評価6点

 

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