初めての海外旅行で、当然ながら初めて航空機の国際線に乗った。
せっかくなので、機内上映の映画を見ようと思い、映画のプログラムを見てしばし葛藤。
国際線ということで、いま日本では劇場上映中、もしくは上映終了したばかりの作品がいくつか見られる。
が、とは言っても鑑賞の環境はあくまでエコノミークラスの狭い座席であり、映画を観る環境としては劣悪極まりない。もし見た映画が素晴らしい映画だったとしたら、逆に“勿体ない”。
そんなこんなで思案した挙げ句、選んだ作品がコレ。
スター俳優の競演、過去の秀作のリメイク(未見)、監督はアクション映画の雄トニー・スコットと、注目すべき要素はあり、劇場に足を運ぼうかと思ったりもしたのだけれど、もう一つ鑑賞意欲がわかず、二の足を踏んでしまっていた。
結論。機内で見る“時間つぶし”には丁度いい映画だった。
地下鉄職員とハイジャック犯の「頭脳戦」を映画の最大の“売り”とし、そこに名実共に力のある二大スター俳優を配置した、そこまでは良かったと思う。
ただし、肝心のストーリーテリングが稚拙すぎる。
地下鉄職員、ハイジャック犯の両者に通じて、キャラクター性が希薄で、終始言動に説得力が無い。故にどちら側にも感情移入が出来ない。
デンゼル・ワシントン&ジョン・トラボルタというキャスティング自体は、もちろん魅力的だが、ストーリーが薄いので、それぞれが演じるキャラクターの底が浅く、容易に予測がついてしまう。
工夫に乏しいストーリーによって、何を持って「頭脳戦」を指しているのかさえ見えてこない。
もちろん役づくりなのだろうが、ワシントンもトラボルタもボテッとした体型をしており、見栄えがよろしくない。
いろんな意味で、格好悪い映画だ。
「サブウェイ123 激突 THE TAKING OF PELHAM 123」
2009年【米・英】
鑑賞環境:航空機内
評価:3点
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