ふとこういう色々な意味で驚きに溢れた良い作品にめぐりあうから、映画はやめられない。
進学のため越してきた普通の大学生が、突然隣人に「本屋を襲わないか?」と誘われる。
なぜ、隣の隣のブータン人のために本屋を襲わなければならなかったのか?なぜ、ディランを歌うのか?なぜ、「じゃあ河童の方」の河なのか?、さりげなく散りばめられた伏線が結びつき、紡ぎ出された「真実」に、突如として感情が揺さぶられた。
伊坂幸太郎の原作は未読で、「映像化不可能」と言われいた文体がどういうものなのかは、この映画化作品を見た後だからこそ、殊更に気になる。
こういう映画は、感想の言葉を並べれば並べる程、蛇足になってしまう。
ボブ・ディランの「Blowin’ in the Wind」によって繋がった出会いは、きっと神様が「彼」に差し伸べた「救い」だったのだろう。
「アヒルと鴨のコインロッカー」
2006年【日】
鑑賞環境:DVD
評価:9点
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