「ただ、君を愛してる」

2006☆Brand new Movies

 

<<ネタバレアリ>>

どんな形であれ、やはり“別れ”というものは、哀しくて、切ない。
奇しくも二週連続で、たまらなく切なくなる“別れ”を描いた映画を観た。

互いに心の中に悩みやコンプレックスを持つ二人が、出会い、惹かれ合い、寄り添う。

ただひとつの恋、ただひとつのキスに、自らの人生のすべてを、そして、“少女”から“女性”へ駆け抜けるように「成長」するヒロインを演じる宮崎あおいは、文字通り可憐で美しい。
対して、主人公を演じる玉木宏は、自らの美貌ももちろんだが、とても良い意味で相手役の女優の魅力を際立たせることができる俳優だと思う。今作でも、宮崎あおいの魅力を最大限に引き立てると共に、コンプレックスを抱えるナイーブで心優しい青年を好演していた。

同原作者(市川拓司)の秀作「いま、会いにゆきます」ほどストーリーにインパクトはないが、二人の姿を描く何気ないワンシーンに心が和み、微笑が生まれる。次第に心から二人の幸せを願いたくなる。
それ故に、殊更に物語の顛末の切なさは膨らむ。

主人公たちの悲しみは、深く果てしないだろう。でも、彼らは決して不幸ではない。
“別れ”とそれによる“哀しみ”がどうやったって避けられないものなら、せめて哀しみの後に微笑むことができる人生を送りたい。と、思ふ。

「ただ、君を愛してる」
2006年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:8点

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