アニメ映画に有るべきなものは、目まぐるしいほどに繰り広げられるCGの映像力でも、一見だけでは物語の真理が掴めないような難解さでもなく、アニメーションに対する純粋な“愛くるしさ”だ。
久しぶりに、キャラクター自体に愛着を感じ、アニメーションそのものが楽しくて好きになるアニメ映画を観た気がする。
そこにナンセンスに難解じみたストーリーなどは必要ない。あるのは、とてもシンプルで純粋な物語だ。
アニメの中のキャラクターが魅力的であれば、キャラクターそのものに感動が生まれる。のだ。
“ストップモーションアニメ”という、アニメーションというよりはパペット(人形)のコマ撮りに近い特殊な映像世界が、尚更にティム・バートンらしさを爆発させる。
もはや「これが本当に人形なのか?」と強烈な疑いを持たずにはいられない。
この世界ではティム・バートンにしか創造し得ないだろう魅力的な“死体の花嫁”。
彼女の“死に様”は、怖ろしく、楽しく、美しく、感動する。
「ティム・バートンのコープスブライド Tim Burton’s Corpse Bride」
2005年【英・米】
鑑賞環境:映画館
評価:9点
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