たぶん“ナニガナンダカワカラナイ”というのが、この映画を観た人のかなり正直な“感触”だと思う。
ただひたすらに、ただ盲目的に、「お伊勢参り」に向かう混迷を極めたふたり。そうして彼らを待ち受ける、幾重もの混沌。
“映画”として客観的にこの旅を見ている以上、そこに明確な“意味”など見つけられるはずもなく、観客さえもただただ混迷と混沌の渦の中に放り込まれる。
しかし、この映画の、この物語の、このふたりの旅の“すべて”は、すべての人が味わうであろう冒頭の感触に尽きるのだ。
「果てしなく深い映画」も「陳腐でくだらない映画」もこの映画の感想として正しいだろう。
そう、ひたすらにこの映画は問い続ける。
「じゃああんたたちのその現実は、一体どれほどに“リヤル”なんだ?」と。
「真夜中の弥次さん喜多さん」
2005年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:8点
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