一日

提携先との月例会議のため、朝一のフェリーで広島へ向かう。

閑散とした船内には、就活生らしい若者が数人見られた。

僕自身は、俗にいう就職活動というものを実際はしたことがないので、

彼らに対しての感慨はないのだけれど、

なんとなく身につまされる思いがした。

今の会社に就職して10年が経とうとしている。

「自分には向かない」と自認して、結局10年間営業職をしている。

今なおその思い自体は変わらないし、その拒否感を発端とした問題に日々苛まれている。

「会議」の度に、“世界の終わり”のような感情を抱き続けて、10年。

相も変わらない鬱積を抱えて、数時間船に揺られ、“世界の終わり”に向かう。

ただし、とっくに気付いてはいる。

そこに“終わり”はないことに。

気が付けば、会議を終えて、帰りの船に揺られている。

実際は何が解決したわけではないのだけれど、それにでも「一日」は終わろうとしている。

それの繰り返し。そして10年。

どんな「一日」であっても、終わらない「一日」はない。ということ。

帰りのフェリーでは、行きの便でも見かけた若者たちが同乗していた。

一様に、「一日」を終えた疲労と安堵が滲んでいた。

自分自身に対しても含めて、「おつかれさん」と呟いた。





コメント

  1. cake より:

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    急なお礼で困惑させているかもしれないんですが…(汗)TKLさんのブログ見させてもらって、下にばかり落ちてく気持ちを止めることが出来たというのか
    気がついたら少し上向きになった気がしました。
    良い言葉が出て来ずもどかしいのですが感謝してます。
    厄年ではないはずなのに悪い事ばかり降りかかりため息ばかりの日々を過ごしていて
    少しでも気分転換になればとブログのお散歩してたんですがだいぶ心が軽くなりました。

    素敵なブログを書かれているTKLさんに今の悩みを聞いて頂けたらなとふと思い、勇気を出してコメントさせてもらいました。

    突然でご迷惑ならすみません。
    聞いてもらえるだけでいいので連絡してもらえませんか?

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