群雄割拠

昨日、PM2:00に美容室を予約しており、

少し遅れてPM2:05には美容室に隣接するコンビニまで到着していたのだけれど、

目の前の美容室に電話をして「申し訳ないけど、30分程遅れるが大丈夫ですか?」と伝えた。

理由は、クルマのテレビで見ていた「びわ湖毎日マラソン」が最終盤にさしかかっており、

レース結果を見ないわけにはいかなかったからだ。

録画予約もしていたのだけれど、テレビ中継であってもスポーツ観戦は出来る限りLIVEが良い。

ロンドン五輪の日本男子マラソン代表をめぐる最後の選考レースとして、先週末最大の関心事だった。

結果は、一般参加の伏兵山本亮(佐川急便)がまさかの日本人トップの4位となった。

この一年間の国内における男子マラソン界の群雄割拠ぶりを象徴するかのようなノーマーク選手の見事な台頭だったと思う。

伏兵だろうが一般参加だろうが、選考レースと指定された大会で勝利し、悪条件の中タイムも悪くないわけだから、

山本選手の五輪代表は「当確」と言わざるを得ないだろう。

先々週の東京マラソンで日本人トップとなった藤原新選手に続き、これで代表枠3つの内の2つがほぼ確定したと言える。

残る枠は一つ。昨日の結果により、選考は益々混沌としてきた状態だと思う。

東京マラソンでの惨敗によりほぼ可能性が消えかかっていた公務員ランナーの川内優輝選手だったが、

昨日の結果によって再び可能性は持ちかえしたと言える。

あとは、選考レース3戦の順位を取るか、タイムを取るか。

個人的には、各レースにおいてはコース設定はもちろん諸々の環境状態が異なるわけだから、

単純にタイム順というのは腑に落ちない気がする。

「勝負の結果」というものを重視するのならば、福岡国際で日本人トップとなった川内優輝選手に分があると思う。

取沙汰されているように、現在ほぼ当確と言える二選手は両者ともマラソン界の底辺から這い上がってきた選手であり、

その結果をもたらした彼らのモチベーションを上げたのは、何を置いても川内選手のこの一年間のパフォーマンスであろう。

ならば、この「群雄割拠」のムーブメントそのものを牽引した公務員ランナーが、

代表3人目の選手としておさまりがいいのではないかと思ってしまう。

とは言いつつも、4年に一度の総決算となる大イベントに、

陸上協会として殆ど先行投資をしていない3選手を代表として送り出すことは、

様々な思惑や体裁において難しいというのもよく分かる。

いずれにしても、日本中の誰しもを納得させる選考結果はあり得ないだろう。

アマチュアランナーや無職ランナーや一般参加ランナーが、

オリンピックの代表争いに絡んでくるというこの異例ぶりは、

スポーツファンとして興奮するし、多くの人が男子マラソンに注目する良い機会だと思う。

ただし、この盛り上がりの様は、

エリート選手がエリート選手らしく世界で戦っていけないという男子マラソンの低迷ぶりを皮肉にも象徴することであり、

五輪代表枠争いに興奮する一方で、

本番でメダルを獲得するなんてことはまずないだろうと諦観していることも事実だ。

ここは一つ陸上協会が自らに活を入れる意味を込めた最終選考をしてほしいと思う。

それが、ロンドン五輪以降の男子マラソンにおける建設的な強化の礎になると思う。

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