昨夜の日本シリーズ最終戦の余韻を感じながら、
ふと、これほど「野球」が面白かった一年も、ここ数年なかったんじゃないかと改めて思う。
振り返れば、今年の「野球」は、
第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から始まったのだった。
3連覇を狙った日本は、準決勝でプエルトリコに敗れた。
3位決定戦では、オランダに勝利し、充分に健闘したとは思うけれど、やはり悔しさが残った。
その悔しさを残しつつ開幕したプロ野球。
奇しくも、WBCの最終戦で戦ったオランダ代表の主砲2人が、セ・パ両リーグで活躍した。
東北楽天ゴールデンイーグルスに鳴り物入りで新加入したアンドリュー・ジョーンズは、
メジャーの実績に違わぬ活躍を見せ、チームに足りなかった長打力を充分に埋め、
文字通りに快進撃の主軸となった。
そして、東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン。
不可侵領域だった王貞治の年間ホームラン記録を破り、60本塁打の新記録を樹立。
日本プロ野球史に残る大き過ぎるトピックスを打ち立てた。
スワローズといえば、異才を放つルーキー・小川泰弘の最多勝獲得も大きなトピックスだった。
シーズン序盤から快投を見せ、その投球フォームから“ライアン小川”と呼称され、一躍チームの顔となった。
猛追した広島の前田健太、巨人の菅野らをおさえて、最多勝に輝いたことは、
バレンティンの大記録と併せて、スワローズファンとして誉れ高かった。
が、しかし、ホームラン王と最多勝投手を有しながら、チームはまさかの最下位。
いろいろと不運な部分もあったのだろうが、この結果はあまりに不甲斐ない……。
一方、4月には、長嶋茂雄と松井秀喜への国民栄誉賞の授与が決定。
5月5日、松井の引退セレモニーと併せて、両名揃っての授与式が行われた。
物心ついた頃には“アンチ巨人ファン”だったので、
長嶋茂雄が率い、松井秀喜が不動の4番打者だった巨人軍を、一度たりとも応援したことは無かったけれど、
この両選手が、この国の野球史に残るトップクラスの偉大な選手であることは充分過ぎる程理解しているので、
国民栄誉賞の授与は、そりゃあ当然だと思ったし、両名同時受賞ということも、
いろいろと揶揄はあったけれど、二人の関係性を考えるととてもドラマティックだと思えた。
シーズン後半戦、バレンティンの本塁打新記録と並行して、
とんでもない記録が、毎週話題にのぼるようになった。
そう、東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大の連勝が止まらない……。
Vol.2につづく→→→
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