「アイランド」

2005☆Brand new Movies

 

<<ネタバレアリ!!>>

個人的に、近未来、クローン、逃亡、解放、などという言葉を謳ったSF映画には目がないもので、それがあの駄作「アルマゲンドン」のマイケル・ベイ監督の作品であろうと、観る前からいてもたってもいられない映画だった。
“超大作”という肩書きにふさわしく、いかにもアメリカ映画らしい(良い意味で)エキサイティングな映画であることは間違いない。単純な娯楽映画としても充分すぎるほどに楽しめる映画だと思う。

ただ、僕はこの映画に隠れる“おぞましさ”に気付いてしまった。

この映画には、美しい近未来の映像の中に確固たる“闇”が際立つ作品だと思う。
舞台となる、“クローン人間養殖施設”に始まり、そこで平然と働く職員たち、“アイランドへの招待”と称したクローンたちの一方的な処理作業……とその設定そのものに、人間の欲望から成る“闇”が蔓延している。
それは、人間という生物そのものが持つ“闇”なのだと思う。
主人公のクローンたちは、自由を求め逃げ出し、ついには自分のオリジナルである人間すらも淘汰していく。一貫して描かれていく彼らの必死の行為は、“正義”という名目のように見える。しかし実はそうではない。
クローンたちの行為は、善でもなければ、悪でもない。そういう概念はふさわしくない。
彼らの行為は、ただただ純粋に、生き続けようとする“生物としての本能”なのだ。

皮肉にも、人間の欲望の闇から逃げ延び、自由へと行き着いた主人公のクローンらの姿は、“生きるためになんでもする”人間そのものなのである。
“おぞましい”と感じたのは、まさにそこだ。なぜならそれは生物である以上、否定することはできない、“生”を渇望する美しさと表裏一体の闇だからだ。
奴隷解放になぞられたラストのクローンたちの解放。そこには、壮大な“解放感”と共に、言葉にならない人間としての、欲望の深淵が見え隠れする。

「アイランド The Island」
2005年【米】
鑑賞環境:映画館
評価:9点

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